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17 いつも頭の片隅に 

授業をしていると飛行機の爆音が聞こえました。県内には米軍基地があります。おそらくそこを離発着する飛行機だったのでしょう。普段はそれほど大きな音は聞こえてこないのですが、その日は授業を中断しなければならないほど強烈な音でした。窓ガラスが揺れ、生徒の中には耳を覆う者もいました。窓の外を見ると遠ざかる機影が見えます。やはり米軍機でした。1分ほどで静けさは戻りましたが、生徒たちは落ち着かず、授業を再開するにはちょっと時間がかかりました。

私は生徒たちに言いました。「すごい音だったね。でも基地の近くに住む人たちは毎日のようにこの音に悩まされているんだよ。特に基地が多い沖縄では危険と隣り合わせで住んでいる人だって少なくない」と。さらに「戦闘機が飛んできても逃げ惑う必要のない生活ができるって有難いね」とも言いました。生徒たちはきょとんとした様子でした。「先生、何言ってるの?」「急にどうしちゃったの?」と言って笑っている子もいました。でもその時は本当にそう思ったのです。平和であることのありがたさを私は実感していたのです。

戦後生まれなので私は戦争は体験していません。でも、歴史の勉強を通して戦争の恐ろしさについては学んでいます。だから平和な時代に生まれたことをとても有難く思っています。でも、それが当たり前だと思ってはいけないとも思います。現に世界では戦争状態にある国がたくさん存在し、私たちだっていつ戦争に巻き込まれるかわからないからです。だれもが平和の大切さを感じながらいつの間にか戦争が起き、人々が巻き込まれていく。過去の歴史がそれを示しています。

生徒たちとはそのあとしばらく米軍基地について話をしました。「基地の周辺に住む人は毎日のようにあの音を耳にしているんだね。それに飛行機だっていつ落ちてくるかわからない。みんなはそんなこと考えたりすることってある?」と私は聞きました。現に数年前には県内で米軍機が住宅地に墜落し母子が亡くなるという大惨事が起きています。

戦争は決して他人事ではない、自分もいつ戦争に巻き込まれるかわからないと改めて感じました。

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