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47 学校を動かすのは教師ではなく生徒たち

体調を崩してしまいました。生徒には体調管理をしっかりするようにと言っておきながら、私自身が油断をしてしまいました。授業をやっていたら胃が突然痛み出しました。頭痛もあり寒気もします。立っているだけでふらふらします。「先生、帰って寝たら?」とやさしい声をかけてくれる生徒たちに元気づけられ何とか午前中の授業はこなしました。でも午後までは持たずやむなく早退しました。家に帰ってひたすら寝ていましたがよくならないため翌日は休みました。薬で何とか持たせて3日目から登校しましたが、全快するまでに5日もかかりました。自分では元気だと思っていてもいつ病気になるかわからないものです。健康のありがたさを痛感しました。

早退するときクラスのことが気がかりでした。放課後に新班長による班編成と席決め、班長会が主催する学級レクの企画などを話し合う予定だったからです。班長経験者もいましたし学級委員も加わっているので大丈夫だろう、問題が起きても自分たちで切り抜けるだろうと期待しながら早退したのですが、心のどこかで私は心配していました。

でも、後日班長会議の報告を聞いた私は、自分の心配が杞憂であったことを知りました。新しい班編成と座席配置には配慮すべき点がきちんと吟味され、班長達の知恵がそこかしこに感じられました。今回の班替えは何のためにやるのか、どんな班編成にしたら活動がスムーズにいくか、どのような座席配置にしたらみんなが授業を受けやすいかなど私が思い至らない点まで考えて決めていたことを知り驚きました。話し合いは時間がかかったようですが、みんな真剣に話し合ったと聞きました。週末に予定していた学級レクについても班長会の企画立案はクラスのみんなに了承されていました。当日の運営も班長達がリードし、私の出る幕はほとんどありませんでした。

この件を通して私は大事なことを学びました。生徒を信頼して任せることの重要さです。私は生徒への信頼が足りなかったことを深く反省しました。「失敗してもいいから何でもやってごらん」入学した時から生徒たちに言ってきたことです。生徒はそれを実行してくれました。その一方で、「私がいなくて大丈夫だろうか」と心配する私には生徒を信頼する気持ちが欠けていました。「自分がいなければ」と思う傲慢さにも気づきました。親が子どものことを心配してあれこれ先回りしてやってしまうことにも似ています。教師も心配し、先回りしてやるのではなく、まず生徒にやらせてみる。教師が差配するのではなく生徒が考えながらやってみる。歯がゆさを感じても教師は黙って見守り、必要に応じて手助けする。教師がやり過ぎてはいけないと改めて思いました。

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