統一地方選

○北海道

これまで所属議員「ゼロ」地域の一つでしたが、帯広と苫小牧で二人の現職が入党し、統一選でも公認で戦う意向です。

○道議選札幌市中央区(定数3)
自民が2人、立憲と共産がそれぞれ1人、それに国民公認で小川陽平さんが立候補を既に表明。新党大地の関係で、道内で一定の地盤がある維新も擁立を模索しています。当然のことながら固い自民と、リベラル系が強い道内で自民に拮抗する力を持つ立憲。小川さんにとっては高く厳しい壁になりそう。国政選挙の党の比例票も、中央区での当選ラインに届いていないのもまた現実です。
衆院の比例ブロックや、参院での選挙区当選がなかなか見えてこない現状で、道内の大票田である札幌市の議席は、足腰強化の意味でも必須。
ただ、街頭活動を地道に継続していて、参院選にも立候補した臼木道連代表との活動も継続的に稼働。道連幹部が語ったという「道内に足場がないと、今後の国政選挙は戦えない。統一地方選で何としても1議席がほしい」(北海道新聞)の通り、札幌での議席獲得なるかが一つの焦点です。

○岩見沢市議選
これまでも数回に渡り市議選に挑戦されている金野たかやすさんが立候補予定。旧国民で挑んだ前回は、定数を1人だけ上回る少数激戦に敗れました。今回は定数を8上回る陣営が準備を進めていて、当選なるか、注目区です。

○帯広市議選、苫小牧市議選
帯広市議会で7選を目指すひえぬき秀次さんと苫小牧市議会で6選を目指す松井雅宏さん。いずれも、候補者説明会には定数を数人上回る候補予定者が出席しています。

北海道知事選では、連合や立憲と共に、統一候補として女性元衆議院議員を擁立。ただ、「道連支持」という形式上は最も低いレベルの対応にとどまりました。
また、北海道新聞では、札幌市議選中央区で擁立する方針を固めたと報じられていましたが、月刊誌「財界さっぽろ」によると、「連合からの協力が得られず断念せざるを得なかった」と野党関係者が語ったとのこと。


○山形県

山形県は舟山康江政調会長率いる「舟山王国」。全国でも党の基盤が強い地域の一つです。玉木代表も「かなりの数の公認が上がってくる見込み」(定例会見)としており、次の国政選挙に向けて、さらなる足腰強化を図りたい考えです。

○県議選山形市(定数9)
自民が3人、立憲が2人、公明・無所属・維新・共産がそれぞれ1人、そして国民が一昨年の補選で初当選した梅津ようせいさんを擁立する、県都の少数激戦です。維新は、山形県内での候補者の擁立が国政あわせて初となります。自民は前回4人を通したのにもかかわらず、今回は3人に絞りこむ異例の状況。10人で9議席を争う展開ですが、誰が落選してもおかしくない情勢です。

○県議選村山市区(定数1)
激戦が見込まれる村山、1人区です。前回は、野党統一の無所属で立候補した菊池大二郎さんが、自民現職に13票差で競り勝ちました。しかし今回は国民の公認を受け、現職として、捲土重来を期す自民元職と戦うことに。昨年の参院選では、舟山さんの得票が、相手の自民候補を下回っていて、菊池さんにとって厳しい選挙になるのは必至。
ポイントは、前回同様の野党の協調体制が整うかどうかです。共産党が候補者を立てるか否かも「13票差」を前には大きく影響してくるでしょう。

○県議選東根市区(定数2)
新人のみの争いが見込まれます。独占を狙う自民2人と、国民県連の会長を長く務めた青柳県議の後継として立候補するさいとう俊一郎さんが立候補を予定。さいとうさんは、国民民主党所属の元東根市議。党籍を残したまま無所属で立候補する意向です。前回の無投票から一転、激戦です。

○県議選寒河江市区(定数3)
5人が出馬の意思を表明。国民民主党所属の寒河江市議だった鈴木みゆきさんが、県連の推薦を得て出馬を決めています。吉村美栄子・山形県知事のめいであることと、元秘書の経歴を押し出します。総決起集会には、国民県連所属の議員が駆けつけました。自民が3議席独占を狙い、野党は立憲系と鈴木さんの2人が立候補予定。

この他、山形市議や新庄市議が新たに入党して、それぞれ推薦と公認で出馬する意向です。また県内では統一地方選後の初夏から秋にかけ、複数の町議選が行われる予定です。


○千葉県

○県議選成田市区(定数2)
長らく自民2人の独占・無投票が続いてきた選挙区。国民民主党が主導する形で、橋本みきひこさんが無所属で出馬する意向です。立憲の地元・谷田川議員と連携し、2連ポスターも谷田川verに玉木ver、前原verと実に豊富。
また先日、1人の自民現職が、国政進出を目指して県議選に不出馬表明したことで、無投票かと思われましたが、後継の自民系無所属が出馬表明、またもう1人無所属の新人が立候補を決めたことで、4人で2枠を争う構図が固まっています。

○佐倉市議選(定数28)
32陣営が候補者説明会に参加しました。国民県連はUAゼンセン系の現職を公認で、新人1人を推薦でそれぞれ擁立。推薦の橋下さんは、パンフレットなどで党名やこくみんうさぎを全面に押し出していて、2人通せるか、注目区です。

○船橋市議選(定数50)
73陣営が候補者説明会に参加。国民県連は新人2人を公認で立てます。

○市川市議選(定数42)
66陣営が候補者説明会に参加。国民県連は公認候補として、みんなの党で市議経験のある元職を擁立。田中・現市川市長の秘書を務めた経験もあります。千葉5区補選の公認候補予定者の岡野純子さんとの2連ポスターも作成、連動して当選を狙う考えです。

○浦安市議会(定数21)
27陣営が候補者説明会に参加し、準備を進めています。岡野純子・浦安市議の5区補選出馬に伴い、国民県連は新人1人の擁立を決めました。市川と同様、投開票日が同じ補選と連動させたい考えです。
去年の参院選でも、浦安には玉木代表ら党幹部が連日入り、礒部候補が8%を超える得票率を叩き出すなど、党の一定の基盤がある地域です。

この他、印西市議選、市原市議選、流山市議選で新人や現職が立候補予定。千葉はそれぞれ市議会の定数が少なくなく、ここで何人通せるかが焦点です。


○神奈川県

○県議選横浜市戸塚区(定数3)
現在副議長を務める、国民県連所属の曽我部久美子・県議が引退を表明。県連は後継として元議員秘書の後藤田弥生さんを擁立しました。
前回選では自民と無所属、曽我部さん、共産の4人で3議席を争う展開になり、曽我部さんが3位当選、共産が落選しました。
しかし、今回は顔ぶれが一変。共産に加え、前回擁立を見送った立憲も新人を立て、その漁夫の利を狙って維新も候補者の擁立を決めたのです。前回の曽我部さんの得票が2万2000票で、共産候補が1万4000票。立憲と国民での票の奪い合いになれば、維新だけでなく、共産党さえも当落選上に浮上する可能性があります。
自民と無所属、野党4党で3議席を争う乱立区。戸塚は、横浜市議選でも現職を擁する国民民主党にとっても重要な地域で、落とすわけには行かない地域と言えます。

○県議選港南区(定数2)
自民と立憲で分け合う無風区でしたが、立憲県議は県連内でのパワハラ問題で加害者に。離党勧告を出される事態にまで発展しました。東京新聞によると、本人は態度を保留しているとのこと。出馬の有無の意思の報道もありません。
そこに新人を立てたのが、国民と維新です。国民民主党は公認候補として新人の宮原裕美さんを擁立しました。当然ながら自民の1議席は固く、残り1議席を維新国民の両者で争う構図とみられ、立憲支持層の動向もポイントです。

○県議選横浜市泉区(定数2)
自民、無所属(立憲系)の現職2人に、国民新人の西岡義高さんが挑む三つ巴の構図です。
前回選では、2人の現職がそれぞれ2万票程度の得票で当選。自由党の候補が6000票程度で落選していて、やはり2人区で「与党と野党第一党の現職」は高い壁。
深作ヘスス・19区総支部長の応援も受け、当選を狙います。

○横浜市議選鶴見区(定数7)
前回選で当選した現職の7人全員が立候補します。公明は前回トップ当選、2位は無所属。共産は3位で1人を通し、自民は4位〜6位で3人を当選させました。立憲は2人を立てましたが、1人が最下位で当選、もう1人は次点で落選と、共倒れこそ回避したものの厳しい結果でした。
今回、立憲が1人に候補者を絞り込んだ代わりに、維新が新人の擁立を決めました。また国民県連も、元職の足立秀樹さんを立てることを決め、「タウンニュース」によると前回選で次次点落選した無所属新人も捲土重来を期す構えです。
前回選では当選ラインが7600票余りで、当時の旧国民が立てた女性候補の得票が3400票程度。倍増させても届かない数字でした。その3ヶ月後に行われた参院選でも、神奈川選挙区の旧国民公認の候補者が、鶴見区内で獲得した票数は3400票でした。
しかし、新国民民主党になってから、衆院選での鶴見区の比例得票は7000票、参院選での深作ヘスス候補の得票は8600票でした。もちろん、国政選挙と地方選挙は大きく性質の異なるもの。単純比較はできませんが、旧党と新党で大きく流れが変わっているのも事実。注目区です。

○横浜市議選栄区(定数3)
自民、立憲、無所属の現職3人、維新、共産の新人2人、国民民主党の元職・石渡由紀夫さん、その他無所属候補合わせて8人で3議席を争う激戦です。
前回、3位当選の候補に約600票差で敗れた石渡さん。その後、一昨年秋に金沢区から市議補選に無所属で出馬。自民が候補者を出さず、立憲との一騎討ちの構図でした。しかし接戦の末3000票差で落選。その1ヶ月前には磯子区の市議補選が行われ、これまた立憲との一騎打ちで、国民系の二井久美代さんが当選していました。立憲系と国民系で一勝一敗だったことになります。(横浜市議会では、立憲と国民の関係が良好とは言えず、審議の中でもたびたび賛否が分かれたことから、統一会派も解消していました)
そして今回は、もう一度栄区に戻っての立候補ということになります。前回選で石渡さんに400票差に迫る得票をしていた共産、そして前回こそ当落選上に絡んでこなかったものの着実に勢いを増す維新の存在も。この2党の候補を確実に抑え、その上で現職3人の誰かを追い抜かさなければならない厳しい情勢です。3席しかない市議会議員の椅子を巡り、激戦が繰り広げられそうです。

○横浜市議選旭区(定数6)
自民が2人、公明、立憲、維新、共産、参政がそれぞれ1人、国民民主党は県連代表の小粥康弘さんを擁立する超激戦です。前回選の最下位が小粥さん。党本部が党勢拡大の足がかりとして神奈川県を重視する中、県連代表の当選は絶対といえます。
維新は今回、串田参議院議員(比例)の妻である元職の女性を擁立。前回、維新候補が獲得したのは当選ラインの二分の一以下の得票でしたが、今回は大きく得票を伸ばす可能性があります。
読めないのが参政です。票の出方によっては、参院選沖縄選挙区のように、自民の票を削り、2人の候補を苦戦に追い込む可能性もなきにしもあらずですが、地方選ではどうなるか。
いずれにせよ、県連代表を落とすわけにはいかない国民、勢いを増す維新、新勢力の参政が注目の超激戦が繰り広げられるものとみられます。

○横浜市議選戸塚区(定数6)
維新が新人を立て、選挙戦の見込みです。国民民主党の現職、坂本勝司さんは前回最下位当選ですが、旧国民が2人を公認候補として擁立したことも大きいとみられます(もう1人の候補は落選)。今回は1人に絞り込み。当選を狙います。前述の県議選戸塚区と投開票日が同日のため、両陣営連動の活動になるかも。

○横浜市議選都筑区(定数5)
自民と立憲が2人、公明と維新と共産が1人、ネットが選挙区を鞍替えさせ現職を1人、そして国民民主党が新人の深作ゆいさんの擁立を決めています。
前回選で得票数の1位と2位を自民がとった通り、自民は固いでしょう。公明は当然のことながら強固。注目されるのが、政党支持率の低迷が続く立憲が2人を通せるかどうかという点。共産、そして前回選では立っていなかったネットという、支持層が重なる可能性のある対抗馬の出馬で、共倒れも現実味を帯びます。
ここで維新と、そして国民の深作ゆいさんが食い込めるか否か。都筑区は、次期衆院選に出馬予定の深作ヘススさんの神奈川19区に含まれる地域でもあります。結果が19区の情勢に影響力を及ぼす可能性もあるでしょう。また、深作ゆいさんが都筑区内では現在のところ最年少候補。横浜市ではまだ実現していない「温かい中学校給食」(戸塚区の坂本さんも取り組まれています!)や、「児童手当の所得制限撤廃」なども重点的に訴えられるということです。

○横浜市議選神奈川区(定数6)
前回横浜市議選全体で唯一、無投票だった選挙区です。今回は定数が5から6に増え、新聞赤旗によると、9人が出馬の意向を固めていて、選挙ムードです。維新が元職を立て、国民民主党は新人の見矢木素延さんの擁立を決めています。
参考にできる材料は前々回の選挙の当選ラインの7800票になりますが、8年の間に政治状況と定数が変わっており、読めません。また他の党は、県議選神奈川区にも公認候補を立て、連動させる構えです。
参院選で深作ヘスス候補が獲得した票が7600票。激しい選挙戦は必至です。

○横浜市議選磯子区(定数4)
ここも激戦です。9人が名乗りをあげています。
ただその背景が若干ややこしいので、記しておきます。
まず前回選で当選をしたのが得票順に、自民、立憲の太田さん、公明、自民の4人です。当時国民公認の新人候補として立った二井久美代さんは、1300票差の僅差で次点落選となりました。
しかし去年、太田さんが立憲を離党、市議を辞めて横浜市長選に出馬。立憲は山中竹春さんの支援に回り、山中さんが当選。太田さんは落選しました。
そしてその年の9月、前述の通り、(太田さんの辞職の欠員に伴う)補欠選挙が磯子区で行われました。そこに二井久美代さんが無所属で出馬。立憲や共産の新人を下し、見事初当選を果たしました。磯子区での女性市議誕生は実に22年ぶりのことだったそう。当選後、二井さんは国民会派に入会。入党もされ、神奈川県連所属議員になりました(神奈川県連HPにも掲載)。
そして本選となる春の市議選に、自民の2人、公明、立憲、共産、維新、れいわ、そこに無所属で太田さん、そして国民民主党の推薦を得て二井さんの併せて9人が出馬する、まさに超激戦の構図です。有力候補がひしめく中、この中で勝利をおさめられるのは4人だけ、ということになります。
もちろん、二井さんは無所属での出馬、SNS等にも特に国民民主党所属の旨の記載がないことから、党名を押し出す戦いではないことが予想されます。しかし、横浜市議会の県連所属の現職全員が当落選上、結果によっては会派の存続も危うくなることから、負けられない戦いになりそうです。

○相模原市議選緑区(定数11)
国民民主党は新人の神田みほさんを擁立。定数も多いため維新なども参戦する模様ですが、前回選を見ると当選ラインは4000票超。自民や立憲の候補も多数落選しているハードな選挙区です。当時の旧国民は2人の現職を順位的にも余裕を持って通していますが、現在は2人とも立憲へ。
参院選では深作候補も、緑区内での4000票に届いていませんでしたが、鈴木敦衆議院議員も緑区入りするなどし、神田さんの当選を目指します。

○相模原市議選南区(定数18)
国民民主党は新人の松田峰由紀さんを擁立しました。当選ラインは4000票弱。夏の参院選で深作候補が得票した票数が7000票ほどです。もちろん投票率などにも変化があるでしょうし、選挙の性質の違いという意味でも単純に比較はできませんが、南区内でのポテンシャルはあると言えるでしょう。
また南区は、相模原市議会の三つの区の中で、最も定数の多い選挙区。相模原市議会で議員ゼロの党の現状を見ても、1議席は取りたいところ。18位の中に入れるか、注目です。

○川崎市議選高津区(定数9)
国民民主党は新人の鈴木明伸さんの擁立を決めています。高津区は、衆議院の新・18区に含まれる地域。鈴木敦衆議院議員の選挙区にあたります。旧統一教会の問題で窮地に立たされた山際・元大臣は18区から出馬する意向とされ、鈴木敦さんが野党で一本化されれば、十分に勝機も。明伸さんも、鈴木衆議院議員と連携した活動や、駅前での街宣を継続して実施。参院選などでの党の得票をみても、また所属国会議員のお膝元という地域であることからも、負けられない戦いになりそう。

○川崎市議選川崎区(定数9)
国民民主党所属の林敏夫さんが無所属・推薦で立候補する予定。前回選は、共産候補と全く同じ票数での最下位当選。次点候補との差は400票でした。
川崎区が鈴木敦衆議院議員の元選挙区(神奈川10区)であることもあり、鈴木さんとの2連ポスターも展開。勝利を目指します。
ただ、川崎区は前回衆院選でも鈴木さんの相手候補だった維新の衆議院議員の地元。維新は今回新人2人を送り込む構えで、当落線の候補が増える形に。激戦は避けられません。

○川崎市議選宮前区(定数9)
深作ヘススさんの神奈川19区に含まれる宮前区。しげの真さんが国民民主党の推薦を受け無所属で立候補予定です。しげのさんは「しげの真と“あしたの川崎”を考える会」をベースに、深作さんとの12時間駅頭に挑むなど、当選に向けて走り続けられるよう。
宮前区は前回選でも立憲や共産、維新の支援を受けた希望などが落選した、厳しい選挙区。今回も激戦が見込まれます。


○静岡県

○静岡県議選清水区(定数4)
自民2人、公明1人、立憲系無所属が1人、国民民主党が現職の林芳久仁・県議の後任で中山真珠さんを擁立する少数激戦。
前回選は自民が深澤陽一さん(現在は衆議院議員)で候補を一本化。自公で2議席、野党系会派「ふじのくに県民クラブ」が林さんと中沢通訓さんで2議席を獲得、立憲新人が落選していました。その後自民の深澤さんが、望月衆議院議員の死去に伴う静岡4区の補選に立候補し、当選。1年半後の本選でも小選挙区で圧勝。現在も議席を得ています。
今回は、自民が2人(1人は望月さんの娘)を立て、公明も議席の維持を目指していることから、自公で3議席を狙う考えです。対して、前回3手に分かれた野党は、林さんと中沢さんが勇退を表明。国民公認で中山さん、前回敗れた立憲候補が今回は無所属で出馬し、野党系で2議席を守ることを目標に掲げています。
ただ、清水区は圧倒的な保守王国。衆議院・静岡4区の大票田ですが、国民民主党の田中健・衆議院議員が過去3回の衆院選で、自民党の望月さんと深澤さんに大きく差をつけられている場所です。よって議席増を狙う自公に、若干分があると言えるかもしれません。
しかし、国民県連も負けてはいません。田中健・衆議院議員は、静岡4区内の富士市や富士宮では勝っていたり、深澤さんに迫っていたりするものの、清水区で毎回差をつけられている状況です。清水区で差を埋めることができれば、勝利も見えてくるため、清水区での現有の議席を落とすわけにはいかないと言えます。田中さんは、中山さんの政治活動の日程のため党大会を欠席してまで清水区に張り付いていて(GoGoこくみんライブより)、勝利を狙います。また、静岡は榛葉幹事長のお膝元。静岡県連にとっても負けられない戦いになると言えるでしょう。

○浜松市議選南区(定数6)
国民民主党は、榛葉賀津也・幹事長の元公設第二秘書、小名木勇人さんを推薦で擁立しました。
一昨年の衆院選での党の比例得票が、市議選の当選ラインになる4300票に1500票ほど届いていません。
小名木さんは浜松市内でおにぎりを販売する飲食店も営んでおり、秘書経験や青年経済団体の所属の経験も。榛葉幹事長も総決起集会に駆けつけ、浜松市議会で初の議席獲得へ総力を上げる考えです。


○愛知県

○県議選小牧市(定数2)
定数2で前回は無投票でした。国民民主党は現職の天野正基さんを立て、自民も現職を公認。維新が新人を擁立したことから選挙戦の見通しです。
当選4回で衆院選にも挑戦したことがある天野さん。一見、民主王国・愛知で、余裕の戦いの様に見えますが、今回は事情が違います。情報番組「ミヤネ屋」の中で、過去に旧統一教会のイベントに夫妻で参加したことが大々的に報じられたのです。(本人は統一協会の信者であることを否定しています)
去年9月、全国の都道府県の中で最も早く公表された愛知県の公認候補予定者の欄に、現職である天野さんの名前はなく、今年に入ってから党公認で挑むことが発表されました(前回選は国民推薦の無所属でした)。
天野さんは、これまでの選挙でも連合愛知の推薦は受けてこなかった様で(ミヤネ屋のなかでも、「連合の推薦なくなぜ票が出るのか不思議に思っていた」と関係者の証言として紹介されています)、今回も同じです。自身に吹く逆風と、相手(維新)に吹く追い風の両方を、クリアすることができるのか。党としても、公認という党名を押し出す形での選挙の形態を報道後時間差で承認したということ。参院選でも、伊藤孝恵さんと維新候補で最後までもつれましたが、今回はどちらに軍配があがるのでしょうか。

○県議選名古屋市西区(定数2)
現職が自民と減税の2人で、それぞれが再選を狙い、その対抗馬として共産が元職を、国民民主党が新人の奥田晋一さんを立てる構図です。民主王国・愛知では珍しく、ここ数年民主系が議席を獲得できていない選挙区です。
前回選は、自民が議席を守り、共産が議席を失い(今回出馬する共産候補はこの方)、減税が奪い、立憲が最下位に沈む形で決着がつきました。票数を見ると、自民は1万5000票ほど得票して他を圧倒しているものの、2位以下の減税、共産、立憲はそれぞれ8000票前後で大きな差は開いていません。今回、立憲が擁立を目指しているなどの情報はなく、奥田さんで旧民主系が一本化される見通しです。
前回選から見ても自民の1議席は固いでしょう。残り1議席を野党で分けあう展開になると見られます。
まず、この選挙区での共産候補は、前述の通り4年前は現職として選挙を戦っていた方。確実に当落線上には食い込んできます。また、愛知は共産党が全国で唯一、県議会における議席を持っていない県。党本部も「県議ゼロ県」の解消を掲げていて、西区は共産にとって獲得の可能性のある地域の一つでしょうから、力を入れるものとみられます。
そして国民民主党公認で挑まれる奥田さん。プロデューサー、コンサルタントなど、いろいろな顔を持ち、名古屋市を中心に活動。実は既にWikipediaもあります!今回は選挙初挑戦とのことですが、名古屋市議選で、こちらも国民民主党公認で西区から立候補される上園晋介さんと連携して日々の活動をされています。両者、名前に「晋」が入っていて、上園さんのポスターなどでの表記名が「うえぞの晋介」であることから、奥田さんもこれに揃え表記名を「おくだ晋一」に。「W晋ちゃん」で当選を目指します。(奥田さんのこれまでの活動は伊藤たかえちゃんねるで紹介されていますので是非!)
奥田さんが議席を獲得するには、減税と共産の二つの勢力を確実に抑えなければならず、前回同様混戦は必至。ただ現在のところ、国民民主党の「屋台骨」たる愛知の、唯一の県議選の公認候補予定者です。愛知県連としても熱が入りそう。

○名古屋市議選西区(定数4)
現職の自民、維新(元減税)、公明、国民民主党が上園晋介さんがそれぞれ議席の維持を狙い、共産が新人を擁立、選挙戦の見込みです。
前回選から定数が5から4へ。自民、減税、公明、国民、共産の5人が全員現職として、4議席を争う激しい選挙戦が繰り広げられました。結果は、上園さんが最後の1議席を勝ち取り、共産が議席を失う形になりました。
今回、減税の現職は、維新と減税の選挙協力解消に伴い維新に移籍しました。これに対する減税支持者を中心とした受け止めや、76歳という年齢も、選挙戦に一定の影響を及ぼす可能性もあります。
また、上園さんは、投開票日が同日の愛知県議選で、前述の通り奥田さんと連動した選挙戦を展開するとみられます。2人合わせての当選なるか、注目区です。

○名古屋市議選千種区(定数5)
国民民主党は現職の山田昌弘さんに公認を出しました。前回選は自民、減税、公明、立憲、そして山田さんが4800票を獲得、共産候補とのデッドヒートを300票差で制し、最後の1議席を獲得しました。
今回は減税の現職が維新に移籍。立憲の現職が立憲を離党し、後継候補とされた方がれいわからの出馬を表明し、立憲は新たな候補を立てることができていません。共産は3回連続で同じ候補が立候補し、議席獲得を目指します。
維新が減税支持層をつなぎ止められるのか、れいわは票を取れるのか、共産が3回目の挑戦でどこまで伸ばせるのか。外の要素に情勢が左右される可能性も高く、混戦は必至です。が、千種区は、古川元久・衆議院議員が圧倒的な強さを誇る愛知2区に含まれ、山田さんも古川さんの元秘書。守れるかが焦点です。


○岐阜県

○県議選大垣市(定数4)
前回選は自民3人、そして国民民主党の野村美穂さんが議席を獲得していました。今回、自民の議員らの引退も囁かれた様ですが(72歳〜83歳の3人とも大ベテランです)、自国全員が再選を目指します。
それに対抗して新人を擁立したのは共産。現有議席が1の岐阜県議会での躍進を狙います。
大垣市は岐阜県内での国民民主党の基盤がある地域。市議選にも現新2人を立てました。圧倒的な保守王国・岐阜で、衆参2回の国政選挙どちらでも独自候補を擁立できたのは、県議会で野党第一党の勢力を維持していたことも大きいはず。今回の県議選では、現在のところ、目指していた新人の擁立の発表(特に県都であり、前回選で議席を失った岐阜市で擁立を目指すていました)がないことから、現職がそれぞれ議席を守れるかが注目ポイントです。

○県議選各務原市(定数3)
前回選は、自民現職の2人と、国民民主党の伊藤正博さんの3人のみが立候補を届出、無投票でした。しかし今回は情勢が一変。現職の3人に加え、保守系無所属と維新の新人2人が立候補を決めたのです。
現在のところ、伊藤さんが最年長候補。最年少は維新の新人で、ここが結果にどう出るかも注視しなければならないポイント。維新と国民で野党も分裂していますが、自民も分裂していて、それぞれの分裂がどちらに良い影響をもたらすのかは不明。2人が落選する選挙です。
伊藤さんが当選するには、絶対条件として3人の自民党(あるいは自民系)の候補のうち1人は確実に抑えねばなりません。激戦になりそうです。


○新潟県

○県議選新潟市中央区(定数3)
前回選では自民が2万票、国民民主党の上杉知之さんが1万5000票、最後の1議席をめぐり公明と無所属新人が1万票周辺で接戦を繰り広げ、結果公明が1000票差で議席を守るという展開でした。
前回選で公明に迫ったこの新人が、今回は維新の公認を得て再挑戦を決めました。維新は県内で政治塾を立ち上げて、既に新しく自治体議員を誕生させており、勢いを持っていることは確か。議席獲得の可能性は大いにあります。
前回選の表を見れば、維新の伸びで危なくなるのは公明です。が、やはり圧倒的な地力を持つ公明が、県議会議員選挙で現職を落とすことは考えづらく、4年前の結果を見て活動も強化させているはず。自民の議席は固いとして、残り2議席を上杉さん、公明、維新が争うことになる可能性があります。
「新潟日報」によると今回、国民県連は県議選への他の選挙区の擁立を見送り、県連代表も務める上杉さんの中央区の議席を守ることに目標を絞りました。衆院選に立候補し落選した高倉栄・元県議が県議補選、弥彦村議補選と立て続けに立候補し落選。県議会の議席を1議席失ったことも踏まえた判断とみられます。
また上杉さんは新潟で立憲が進める野党共通政策の策定には否定的な見方を示しています。新潟では衆院選や参院選、知事選などの各選挙を通し、立憲と国民の間に若干の距離があり、立憲支持層の動向も鍵になりそう。

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