詩 【 スピード狂 】
スピードのせいだ
すべてこのスピードがわるい
大切なものが消えた
鳥も人も 音楽や食べるもの
時間さえも
身のまわりにあったすべてのもの
みんな消えちまった
遠くのほうへ 置いてきちまった
トップが気持ちいいし
なりたいばかりに
周りをかえりみず
とにかくオレはぶっちぎった
ダントツの一位だった
だがそれだけだった
犠牲は大きかった
ここは遠い
空気も薄い
一人の未来じゃ何もない
いったいオレは
なにをそんなに慌てていたのか
皆とおなじペースで
もっとゆっくり 歩んでいればよかった