神経が様々ながんの発症や進行を促進する◇β遮断薬は複数のタイプの固形腫瘍のリスクおよび死亡率を低下させる

がんの初期には神経密度が増加し
それに伴ってニューロトロフィンのレベルも上昇する

TMEのどの細胞がニューロトロフィンの供給源となっているのか
またニューロトロフィンの産生を開始させる刺激の性質は何なのかについてはまだ解明されていない

ニューロトロフィン
ニューロトロフィンは神経系から分泌される小さなタンパク質である

TME
がんを取り囲んだり、がんに栄養を与えたりする細胞や分子、血管のこと
腫瘍の成長を促進する作用を持っていたり、腫瘍に治療薬が届きにくくしたりとがん治療の障害となる性質を持つ
膵臓がんや胆管がんでよく見られる

胃癌の治療において、胃切除術に加えて迷走神経切断術を受けた患者は
胃切除術のみを受けた患者と比較して胃癌の再発が減少した

数例しか研究されていない

β遮断薬は膵臓がん、乳がん、前立腺がん、卵巣がん、
および黒色腫を含む複数のタイプの固形腫瘍のリスクおよび死亡率を低下させる

β遮断薬は乳癌の転移を減らし患者の乳癌死亡リスクを低減

β遮断薬は特定の受容体に結合し、ストレス・ホルモンであるノルアドレナリンやアドレナリンの作用を阻止する。腫瘍にはこれらストレス・ホルモンが高濃度に存在し、癌細胞の増殖と移動を促進している。従って、高血圧治療を目的としてβ遮断薬を投与されていた乳癌患者に見られた利益は、血圧管理の結果ではなく、この薬剤が腫瘍に直接作用したためと考えられた。実際に、β遮断薬以外の降圧薬を投与されていた患者には、転移や乳癌死亡のリスク低減は見られなかった

研究チームはヒト前立腺腫瘍をマウスに移植し、周囲の神経を切り取るか、毒性化学物質で破壊した
周囲の神経がなければ、腫瘍は成長しなかった

https://www.science.org/content/article/how-body-s-nerves-become-accomplices-spread-cancer


【参考】真菌と癌の関連の全容が初めて報告された

マラセチア(マラセジア)真菌Malassezia globosaが居る乳癌患者は短命

真菌の殆どは細菌と同居しており、お互いが競争相手である
他の住処と違って
癌はどうやら真菌と細菌の両方を許容する環境となっているようです

胃腸・肺・乳房の癌が調べられ、カンジダ・ブラストミセス・マラセチア属の真菌がそれぞれに多いことが示されました
胃腸の癌でカンジダが多いことは炎症を促す遺伝子の活性亢進、転移しやすいこと、短命

※※※
RIG-I はTLR9 や STING とは異なり、腫瘍細胞を含むほぼすべて
の細胞型で発現されます
腫瘍増殖を阻害する

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