イベルメクチンが腎臓病を抑制

イベルメクチンが腎臓病を抑制

腎臓の糸球体足細胞に発現するデンドリンという蛋白質の細胞核への移動を抑制することが、慢性腎臓病の進行を遅らせることを発見しました


デンドリンという蛋白質が糸球体足細胞にのみ発現していることを発見

糸球体足細胞が傷害を受けるとデンドリンが糸球体足細胞の核へと移動し
蛋白尿の増加など腎障害を促進する

デンドリンは、インポーチンと結合することにより
核へと輸送されることが判明しました
インポーチンの核への移動を阻害する物質イベルメクチンは
デンドリンの核への移動も抑制することが分かりました


※※
インポーチン

新しいRNA分子は核から出て行く必要があるが、
新しく合成されたヒストンやポリメラーゼといった核タンパク質は核に戻ってこなくてはならない。
巨大な管状の核孔は核と細胞質をつなぐ輸送路として働き、
インポーチン(importin)とエクスポーチン(exportin)
(合わせてカリオフェリン(karyopherin)として知られる)がその穴を行ったり来たりして分子を輸送する。

細胞の「核(細胞核)」は,真核生物に固有の細胞内小器官の一つで遺伝情報を司る分子である DNA を含んでいます.
核と細胞質の間は核膜で仕切られていて,核膜孔と呼ばれる「穴」を通して蛋白質や RNA などが移動します.
この時,インポーチンやエクスポーチンといった輸送蛋白質と複合体を作ることで,特定の分子が運ばれます.

イベルメクチンはインポーチンα/βによる輸送に対しては幅広く阻害するが,
インポーチンβ1単独での輸送を含めた他の様々な核内輸送には全く影響を与えないということを示した。
さらに,インポーチンα/β依存的なウイルス生産を行うHIVやデングウイルスに対して,
イベルメクチンは感染を阻害した。
今後,イベルメクチン様の薬物が様々なHIVやデングウイルスを含むウイルスに対して使用できる可能性が期待される。

イベルメクチンはHIV-1およびデングウイルスの複製を阻害する、インポーターα/βを介した核内インポートの特異的阻害剤である


インポーティンβファミリータンパク質が媒介する核–細胞質間輸送

相分離シャペロンとなるインポーチンβファミリー

インポーティン8はアルゴノートタンパク質を異なるmRNAに標的化する遺伝子サイレンシング因子である

https://www.cell.com/fulltext/S0092-86740801628-0


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