リケジョが魔王討伐するにはこれで合ってます?【第3話】
【第3話:鶴の怨返し】
私は国枝ロマン。勇者だ。
先日、元いじめっ子の優太老という男を無理矢理パーティーメンバーにし、次のパーティーメンバーを探しているところだ。
しかし、ここにきて致命的な問題があった。私にはこれ以上の知り合いがいないということだ。元いじめっ子の優太老を除いた場合、私には家族以外の知り合いがいないのだ!
恋人はもちろんのこと友達も当然おらず、SNSもやってないので、ネットの友達もいない。はてはて、どうしたものかと家でYouT⚪beを見ていたところ、不意の来客があった。
ピンポーン!
「はーい!」
私以外家に誰もいないので、しぶしぶ玄関に応対しにし行く。
「突然すみません、本当に突然申し訳ないです!」
初めて聞くその声を不審に思いながら戸を開けると、出てきたのは真っ白の……鶴だった。
「はぇ!?」
人間以外の存在がそこにいると思っていなかった私は、驚きのあまり腰を抜かしてしまった。
「つ、鶴が出たどーー!!!!」
振り絞って声を出したが、その情けない声は勇者というよりは村人Bでしかなかった。
「お、落ち着いてください!
私はただの鶴ですから!怪しい鶴じゃございません!!」
「う、うるせえ! つ、鶴が人間様をなぐさめてんじゃねえ! 舐めんな!! 喋ってる時点で怪しくない鶴なんかいねんだよ!! 舐めんな!!」
「すみません! ですが、下っ端感丸出しの喋り方はあの頃のままですね。お変わりないようで安心しました。あなたがパーティーメンバーを探していると小耳に挟み、はせ参じたところです。私を仲間にしていただけませんか?」
「え? それはありがたいけど……。てか、あなた誰よ? 私のこと知ってるようだけど、私はあなたのこと全く覚えてないよ?」
「ええ、分かっております。私はあなたのことを知っていますが、あなたは私のことを覚えているわけありませんから。」
「そんなことってあるのかな。はぐらかさないで、教えてよ。あなたは何者なの??」
「……はい。私は、あなたに、あの日助けてもらえなかった鶴です……!」
「私があの日助けなかった鶴……?お前……、絶対裏切るだろ……。」
第3話 完