高速戦隊ターボレンジャー、第11話「爆発!ウーラー街道!🛣️」
キーワードはお弁当。
弁当の意味を調べると、外出先で食べるために持っていく食べ物の事となっている。
そもそも、弁当は織田信長が城を建設してくれた人々に簡単な食事として与えたのが始まりとの事であった(※諸説あり)。
今話は、暴魔の下っ端であるウーラー族の族長であったウーラーボーマの復活が敵陣のメインストーリーとして流れている。
そもそも、下っ端のウーラー兵…。
命を省みず、暴魔大帝ラゴーンへの絶対の忠誠心で働く彼らは、かつて暴魔一族に弱みを握られる事があったのだろうか?と疑問符を投げかけたくなる。
お勉強の意味をもう少し深く調べると、「幼児などの口のまわりについた飯粒のこと。」という意味も出てくる。
両親の優しい言葉。そして、そっと口元へ訪れる優しい指先の温かさ。
ウーラー兵へ、その優しさや愛がしっかり伝わっていたら…。
彼らの命が爆弾兵器として扱われる事は無かったのかもしれない。
…と、敵を見つめる私の胸はやけに締め付けられていた。
今話の主人公であるマサヤもまた母親の愛情に飢えていた。
病気気味の母を心配する真っ直ぐな少年である彼、母を心配する事が真っ先に出てきてしまい、自分への愛情は二の次といった感じであった。
そんな母が作った初めてのお弁当。
今話の神セリフは、そんな愛情が詰まったマサヤからラストシーンで聞かれたセリフを選ばせて頂いた。
神セリフ
「母ちゃん、ありがとう!お弁当、最高に美味しかったよ!」by.マサヤ
素直な気持ち。
現代を生きてる人が自分に近しい人に、こんな分かりやすく気持ちを伝えているだろうか。
恋人から配偶者になり、そして親になる。そんな過程の中で感謝の気持ちを素直に伝えているのは恋人関係だけだと個人的には思う。
何故なら、逃げられたく無いから。
人は不安にとことん弱い。弱いからこそ、対を好む。
恋人関係は離れられるリスクも同時に付き纏う。
だから、感謝をしっかり言葉に表す。
表す事で離れてほしくない意思表示をしている。
籍を入れ、自分から離れるリスクが減っていくに連れ、「やってもらって当たり前。」という気持ちが出てくると感謝の気持ちや素直な愛情を口に出す事は確実に減ってくる。
何故なら、傍に居てくれる約束を籍という形で交わしているから。=逃げられるリスクが少ないから。
ウーラー族長であるウーラーボーマ。
彼もまたウーラー兵を駒として操り、兵器として使っていた。
ウーラー兵は決して命を省みずという言葉を発していないのに…。
一緒にいる人の違いで、ここまで人生は変わる。
マサヤは母から愛情を貰い、全力で真っ直ぐな感謝の言葉を返した。
ラストシーンの母の全力の抱擁は、この先母が少しずつ日常の生活リズムを取り戻す背景を思い浮かばせる良いシーンであった。
現世には子供を犯罪の道具として使う親も居る。
ただ、子供は自分の親だから、その要求に全力で応えようとする。
…その先に社会的な、もはや自分自身の死が待っていようとも。
最後にウーラー兵がウーラーボーマの墓に復讐を誓う場面からは、ウーラー兵が今後もただの駒として扱われる未来しか見えてこず、客観的に悲しさが残った。
愛情の形は人それぞれだ。
だが、愛情をかけた分、かけられた方は全力の優しさを返してくれる。
子育てや部下の育成に悩んでいる方、是非とも今話を観て自問自答をして頂きたい。
真っ直ぐに愛情を伝える事でその何百倍もの優しさが返ってくる事を思い浮かべながら。
追伸、今話で出てくる国道44号線は北海道の釧路市を起点とした根室市に至る延長 124kmの主要幹線道路である。
何故、この幹線道路が選ばれたのかは分からないが、無限にウーラー兵が封印されているというのは、だいぶ気味が悪いと感じた作者でした。