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悲しいうた(失恋編)〜私訳 "ME AND BOBBY McGEE"

ジャニス・ジョプリン。
彼女の歌を知った20歳くらいの時は、そのあまりに感情的なスタイルに気押されて苦手だった。
だけど心が張り裂けそうにつらい時はいつも
ジャニスの歌がわたしの慰めになった。
出会ってから30年。
ジャニスの歌は、いまもわたしを慰め、励ます。

”ME AND BOBBY McGEE”


バトンルージュで馬鹿騒ぎして
くったくたになって電車を待ってた
雨が降りそうな空
ボビーは手を挙げてトラックを拾って
わたしと一緒にニューオーリンズまでヒッチハイク

くたびれた赤いバンダナに包んだハーモニカを取り出し
ボビーが歌うブルースに合わせてそっと鳴らした

車のワイパーが時を刻む中
わたしはボビーの手を握って
トラックドライバーも知ってる歌すべてを一緒に歌った

自由というのは 言い換えれば失うものが無いってこと
意味がない
自由でなければ生きる意味はないけれど

彼がブルースを歌っていれば
わたしはいつも幸せだった
それだけで満足だった
わたしのボビー・マギー、わたしたちは幸せだった

ケンタッキーの炭鉱町から陽の降り注ぐカリフォルニアへ
わたしたちは心の中を打ち明けた
雨の日も風の日も わたしたちは愛し合った
ボビーはいつだってわたしの心も身体も温めてくれた

サリーナに近づいた或る日
わたしは彼を手放してしまった
家庭を求めていたボビーを
わたしは追いかけなかった

わたしは未来のすべてを引き換えにしてもいい
この日に戻れるなら
別れを止めることができたはずの
この日に戻れるなら

自由というのは 言い換えれば失うものが無いってこと
わたしは虚ろ  わたしには何も無い
ああ、ボビーはわたしを残して去ってしまった

彼がブルースを歌っていれば
わたしはいつも幸せだった
それだけで満足だった
わたしのボビー・マギー、わたしたちは幸せだった

ああ
帰ってきて欲しい
わたしの愛する人
わたしは叫び続ける
わたしにはそれしかできない
わたしの男、わたしの恋人だと呼べるなら
ねえ、どうしてここにいないの
さあ、今すぐ戻ってきてよ
ボビー・マギー



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