明石市を追随しない神戸市の3つの理由
仲が悪い(?)お隣さん
昨今、メディアやSNS等で神戸市と明石市が比べられることが多くなりました。神戸市が全国トップクラスの人口減少である一方で、お隣の明石市は全国トップクラスの人口増加を実現しているからです。その違いは子育て政策によるものとかなんとか...。
はたして本当にそうなのでしょうか。
仮にそうであれば、何故神戸市は明石市の政策を追随しないのか。私なりの理由をお答えします。
①都市の性質の違い(大都市とベッドタウン)
隣り合う神戸市と明石市は都市の性質が大きく異なっています。
神戸市は企業や大学などが集まり、日中に周辺の市町村から多くの人がやってくる大都市です。明石市は住宅街が広がるベッドタウンとなりますので、両市は目指す街の形が異なり、当然政策を真似る必要がありません。両者が比べられることがそもそも見当違いです。これが理由1つ目になります。
余談ですが、比べられるようになった対照的な人口増減は「神戸市が震災復興で大都市として成長できない時期に、明石市のベッドタウンとしての魅力が世間に広まった」からだと私は考えています。
神戸市は震災復興に約30年近くかかった
神戸市は1995年の阪神淡路大震災で大きな被害を受けました。国からの支援がなかったため、2021年まで自力で震災復旧債を返済していました。その結果、街への投資が疎かになり、街には古い建物が溢れ、大都市としての魅力が年々減少していきました。再開発の計画が近年続々と発表されているのは、震災復旧債をやっと完済できたためです。大都市としての成長が30年ほどできず、大阪市と京都市と比べ、随分遅れをとりました。
子育て政策によって明石市の魅力が世間に広まった
明石市は元々、通勤・通学に大変便利なベッドタウンです。JR新快速によって、明石駅は三ノ宮駅まで15分、大阪駅までを37分で結びます。これは同じ神戸市内の主要な街(JR垂水駅や神戸市営地下鉄名谷駅、神戸電鉄鈴蘭台駅)よりもの三ノ宮駅の到着が早いことになります。にも関わらず、明石市は神戸市よりも地価が低い状態でした。隠れ優良市町村の明石市が「インパクトのある子育て政策」により、全国的にも注目され、隠れていた魅力が世間に見つかることになったのです。
隣り合う市が、上記の結果、人口増減について対照的になってしまったため、比べられることが多くなりました。しかしながら、本来であれば両市は比較されるべきではないのです。
さらに、明石市の子育て政策の「内容」が、直接人口増加に繋がっているわけではありません。元々明石市はベッドタウンとしてポテンシャルが高かったのです。子育て政策の内容で人口増加するならどこの市も困ってはいないでしょう。
話が脱線しましたが、以上が理由1つ目になります。
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