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【医食の章/6節②】〜[どの様な「食べ物」を、私は食べれば良いのか!?]〈「腎臓障害(浮腫み)」が気になる方へ、…(「体質/体調別」栄養摂取のアプローチ)〉〜
◉[再構築「Ⅵ」②]〜【どの様な「食べ物」を、私は食べれば良いのか!?】〈Ⅵ「腎臓障害(浮腫み)」が気になる方へ、(「体質/体調別」栄養摂取のアプローチ)〉〜…
◆[『腎臓の障害(浮腫み)』の「根本治療/改善方法」]について、〜〈漢方的思考編〉
◉【『腎』の生理について】、〜
■[「東洋医学に於ける『腎』の調節によって、「幼児期から思春期・壮年期への成長」や「機能の発達」が促されます。
従がって『腎』は、「性機能や排卵・月経等の生殖機能と関係が深い」他、「骨の発育や維持、歯・髪」等とも深く関わっています。]
■[やがて「『腎』の勢いの衰え」と共に、「老年期」に移行します。「幼児期頃には、髪も少なく歯が生えていない」のが、「『腎』の充実と共に生えそろって来て、加齢による『腎』の衰えと共に、また抜けてくる現象」と一致します。]
■[「骨」に於いても同様で、「老年期」になると『腎』が衰え、「骨粗鬆症」になります。「背筋や腰の筋肉、下半身の力と関係している」ので、老年期になると、『腎』の衰えと共に腰が曲がったり、足腰が弱くなって」来ます。「尿閉・排尿の勢いが悪い・頻尿・夜間尿・失禁 等の排泄異常/難聴/耳鳴り/眩暈/白内障/等」も『腎』の機能と関係します。『腎』の外界との連絡口は、先ず「耳」であり、「老人性難聴・耳鳴り」も『腎』の衰えと関連します。その他「二陰」があります。]
※[「二陰」とは、「尿道を含む外性器と、肛門の二つの口」を指します。]
◉【『腎』の機能について】、〜
[「固節作用」(こせつさよう)の低下]
■[『腎』は、「排尿排便の調節」に関係します。 即ち「括約筋の収縮作用と関連」し、『腎』の漏らさない様にする「腎の固節作用」があります。]
■[「腎の固泄作用」が低下すると、「早漏や夢精、夜尿症」を呈したり、「年と共に尿を我慢しにくくなったり/高齢者の大小便の失禁」に繋がる。
上記も「腎の固節作用の低下」と捉える事が出来ます。「固節作用のある生薬を、収斂薬」と云い「山薬(やまいも)/山茱萸/杜仲/五味子/枸杞子/菟絲子/覆盆子(ラズベリー)」等があります。]
◉【『腎』の「精の不足」について】、〜
◉「腎精(生殖機能・成長)を主る」。
■[「腎精」は、狭義の意味では、「生殖に関係する精」を指し、不足すると「無月経/子宮発育不全/排卵異常/男性事由不妊/無精子症/精子過少症/インポテンツ/早漏/精力減退」等の「生殖機能異常の症状」を呈します。]
■[広義の意味では、「人体の成長、発育活動を維持する精微物質」を意味し、不足すると「知力の減退/骨格の発育異常/耳鳴り/骨粗鬆症/歯が抜ける/白髪/脱毛」等に陥ります。子供では、「知能の発育不全」等が見られます。]
▲[生薬には、「紫河車(ヒトの胎盤)/鹿角/亀板/杜仲/枸杞子/肉/蓉/鎖陽/熟地黄」等があります。
処方としては、『左帰丸(熟地黄・山薬・山茱萸・枸杞子・菟絲子・牛膝・鹿角膠・亀板膠)、六味丸』等があります。]
※[『腎』の「陰陽」は、「体全体の陰陽を左右する」事が多く、『腎』の異常によって、「陰陽失調による全身症状」も起きます。]
◉【『腎』の「陰」について】、〜
■「腎陰虚(腎陰虚証)」とは!?…
▲[「腎陰」は、「人体の各臓器に滋養作用をする物質」で、腎陰が不足して「腎陰虚」になると、「肝・心・肺 等の臓器に波及」し、「肝陰虚」から「肝陽上亢(肝腎陰虚によって陰が陽を抑える事が出来ず、肝陽が亢進する状態)〈目眩い/目の乾燥/逆上せ/頭痛〉等」、「心陰虚」から「心火上亢(不眠/夢が多い/動悸)等」したり、「肺陰虚(空咳)等」の状態になります。
▲[相対的に「腎陽が亢進」して、「皮膚・唇の乾燥/口渇/熱感/足の火照り」等の熱症状が加わります。更に「煩燥(不安で手足を固定しておけない状態)」の症状が観られます。「舌は、痩せて紅くなり、舌苔が無くなり、キラキラ光る(鏡面舌)」となります。「腎陰虚」では、容易に「肝血虚(皮膚の乾燥/目の乾き/月経量の減少 等)」を伴い、「腎陰虚の症状に、肝血虚の症状が随伴する」事があります。日本では、「重要である」と云う意味で「肝腎である」「肝腎要」という言葉が使われています。]
※[「生薬」としては、「山茱萸/桑寄生/枸杞子/亀板/鹿茸」等を用い、方剤としては、「六味丸/知柏地黄丸」を用います。]
◉【『腎』の「陽」について】、〜
■「腎陽虚(腎陽虚証)」とは!?…
▲[「腎陽」は、「各臓器の生理活動を推し進める作用」を指し、「腎陽が不足する腎陽虚」では、「肺」が「腎陽の推し進める活力を失い、肺自体の機能も弱くなり、息切れ/呼吸困難を生じ」ます。
この状態は、「腎が気を収める事が出来ない『腎の不納気』の状態」です。「脾の機能も低下(脾気虚)し、元気が無くなり」ます。「心が腎陽の活力を受けられない」と、「心陽虚の症状として胸苦しい、等の症状」を呈します。「腎自体が腎陽不足になる」と、「早漏/インポテンツ/腰に力が入らない」等の症状を呈します。「腎陽のパワーダウンにより、津液の動きも悪くなり、浮腫を生じ」ます。
「腎陽の不足」は、「寒証の症状」を呈し、「寒がる/手足が冷える/多尿/頻尿/夜間尿」等の症状がみられます。
「生薬」としては、「附子/肉桂/淫羊 (イカリ草)/杜仲/冬虫夏草(昆虫の幼虫体内に寄生するキノコの一種)」等があります。「方剤」としては、「八味丸/牛車腎気丸」等があります。この様に「腎の異常」では、「加齢によってみられる、変化と関連した症状」が多くみられます。「腎陽」は、『真陽』とも云われる様に、「他の臓腑の陽気に影響を与え」ています。
即ち「腎陽の不足」では、「脾の陽虚/肺の陽虚/心の陽虚を引き起こし」、また逆に「脾/肺/心の陽虚が長引け」ば、「腎陽虚を引き起こし」ます。]
※[『腎』は、「先天の本」として、「生命力の根源と深く関わり」ますので、「喘息」をはじめとした、「多くの慢性病や、自己免疫性疾患」等の難病の中で、『腎』の関わりを考慮して治療を進める」場合が多くあります。『腎』を温存する為には、「睡眠不足/過労・精神の酷使」等、体に苛酷な状況を作らない事が重要です。]
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以上です…。 次回『「腎の障害(浮腫み)」を予防・改善するアプローチがある成分/効能(前編)、…【医食の章/6節/③】』に移ります。