WD#126 ゲッタバンバンに潜む謎
皆さんはポケットモンスターをご存知だろうか。ポケットモンスター縮めてポケモン、ポケモン拡げてポケットモンスター。
ポケモンをどのように摂取したかは人によって様々で、ゲームで、カードで、トレッタで、いろんな体験を私たちにもたらしてくれる。
今回は、そんなポケモンのコンテンツの中でもアニメに焦点を当てて、どうしても皆さんに伝えなきゃいけないことがある。
私はこの事実に気付いたとき以来、世の中は全てハリボテのように見え、空に広がる星空も薄い1枚の帷に絵の具で描いたものなのではないかと思うようになってしまった。
そのような覚悟が、あなたにはあるか。
あるのね。わかった。話そうじゃないか。
時は2013年、「ポケットモンスターXY」のアニメが始まった。私は途中から見た記憶があるが、作画といいセレナといい、未だこれを越えるシリーズは現れていないという人もいるほど素晴らしいシーズンだった。こおりジムで負けたサトシが落ち込んでいたらセレナがサトシに雪玉を投げつけるシーンは記憶に新しい(あれ?これはXY&Zだっけな?)。
そしてやはりポケモンのアニメと言えば、主題歌やエンディングも大きな魅力のひとつである。ポケモンのアニメの曲なら今でも歌えるという人も少なくないはずだ。ラ、ラ、ラ、言えるかな〜
そして、ポケットモンスターXYにおいて2015年に3つめのオープニングとして使用とされた楽曲が、『ゲッタバンバン』という佐香智久さんの曲である。いかにもポケモンの曲という感じで、聴いてて気分も上がってくる素晴らしい楽曲だ。
聴いていない人は、1回ここで聴いてみてください。いい曲だから。そして、違和感を感じないか、1回確かめてみてほしい(別に聴かなくてもいいけど聴いてみてほしいよねせっかくなら)
(YouTubeのリンクを貼ろうとしたんですが、調べたところフル尺の公式動画がなく、無断転載っぽいやつしかなかったので貼りません。あんまりこういう公の場で無断転載をお勧めすることはできないので、見たい方は勝手に見てください。あと普通にSpotifyとかにはあるのでそっちで聴いてみてください。そっちのリンク貼っときます。)
さあ、どうだろうか。いやあ背筋が凍りますよね。
とは言ったものの、1回聴いただけじゃおそらくどこにミステリーが潜んでいるのかわからないだろう。
というわけで以下歌詞を添付する。これで気付いたらすごい。あとめっちゃ歌詞が長い。
(ゲッタバンバン 歌詞)
[1番]
進め、進め!考えてちゃ遅いから
かそくする思いは、でんこうせっかで
迷ってる暇なんてないでしょう?
負けない逃げない止まない雨なんてない
涙ぎゅっとこらえて、きしかいせい
踏み出せ!すぐにハレルヤ
ぶつかりあって
燃える思いオーバーヒート
迷いはらって
ほえろ雷鳴のように
理屈じゃない未来を今
さあ、この手で切り開くんだ
ゲッタバンバン ゲッタバンバン ゲッタバンバン
まだ見ぬ未来へ
OH YEAH 立ち向かって
OH YEAH 何度だって
ゲッタバンバン ゲッタバンバン ゲッタバンバン
一人じゃないから
OH YEAH 止まらないで
OH YEAH共に行こう輝く未来へ
[2番]
嬉しい事も、時に悔し涙も
なんだって分け合える僕らならほら
怖いものなんてもうないでしょう?
進め、進め!ビビってちゃ遅いから
いつだって当たって砕けろのスタイルで
飛び込め!道はミエルヤ
エンジン全開
はやる鼓動オーバードライブ
弱虫なんて
全力スピード取っ払って
見たことない未来を今
さあ、この手で掴み取るんだ
ゲッタバンバン ゲッタバンバン ゲッタバンバン
まだ見ぬ未来へ
OH YEAH 手を伸ばして
OH YEAH 何度だって
ゲッタバンバン ゲッタバンバン ゲッタバンバン
一人じゃないから
OH YEAH 恐れないで
OH YEAH どんな未来も超えてみせるから
何度も立ち上がるから
諦めないから
夢は夢のままでなんて
終わらせやしないから
ゲッタバンバン ゲッタバンバン ゲッタバンバン
まだ見ぬ未来へ
OH YEAH 立ち向かって
OH YEAH 何度だって
ゲッタバンバン ゲッタバンバン ゲッタバンバン
一人じゃないから
OH YEAH 止まらないで
OH YEAH 共に行こう輝く未来へ
1,2,3で準備オッケイ!おいかぜに乗って
ガンガン飛ばして行こう!見たことない世界へ
いい歌詞ですね。
さあ、じゃあそろそろ読者に全て委ねるのを辞めて説明していきますか。
今回注目したいのは、1番と2番の3つめの歌詞のかたまり(こういうのなんて言うんだろう?フレーズ?)である。そこだけピックアップしてもう1回添付する。
[1番]
ぶつかりあって
燃える思いオーバーヒート
迷いはらって
ほえろ雷鳴のように
理屈じゃない未来を今
さあ、この手で切り開くんだ
[2番]
エンジン全開
はやる鼓動オーバードライブ
弱虫なんて
全力スピード取っ払って
見たことない未来を今
さあ、この手で掴み取るんだ
ポケモンの曲では、よく「ポケモンのわざ」の名前を歌詞に入れることがある。歌詞を見てもらったとおり、「でんこうせっか」や「きしかいせい」はポケモンのわざとして存在しているフレーズだ。他のポケモンの曲でも、「きりばらい」や「アクアジェット」など色々出てくる。
そしてこの曲、ゲッタバンバンでも同じことが言える。「オーバーヒート」はほのおタイプのわざでわざマシンとかもある。「オーバードライブ」はストリンダーというポケモンの専用わざだ。
ん?待てよ?
ストリンダー?
みなさん、このポケモン、知ってますか?
おそらく、知らないという人も多いと思う。
なぜならこのポケモンは「ポケットモンスターソードシールド」にて初登場したポケモン。
そしてソードシールドのゲームが発売されたのは2019年。
あれ?
(さっきの文章)
そして、ポケットモンスターXYにおいて2015年に3つめのオープニングとして使用とされた楽曲が、『ゲッタバンバン』という佐香智久さんの曲である。いかにもポケモンの曲という感じで、聴いてて気分も上がってくる素晴らしい楽曲だ。
ゲッタバンバンで「オーバードライブ」というわざの名前が出てきたのが2015年、そして「オーバードライブ」というわざを使うポケモンが現れたのが2019年。
そう。
ゲッタバンバンは未来を予知していたのである!!!!!
怖い。あまりにも怖すぎる。
なんで今まで気づかなかったんだ。こんな底知れない恐怖が我々のすぐそばにあったというのに。
ゲッタバンバンに潜む、この時間を超えたミステリー。今からこれに対する仮説を3つ(←少なっ)紹介しよう。
仮説1)佐香智久さんの予知能力説
まず思い浮かぶのはこれだ。この曲を作詞した佐香智久さんが本当の「予知能力者」で、数年後現れるポケモンのわざを予知して歌詞に組み込んだという仮説。
試しに佐香智久さんのWikipediaを見てみたが、特技の欄に予知という項目はなかった。というわけでこの仮説は否定できる。
あと普通に考えてそんなわけない。
仮説2)リーク入手説
楽曲の発表が2015年、そしてソードシールドの発売が2019年であることを踏まえると、ゲーム発売の4年前から、ストリンダーというポケモンとオーバードライブというわざの構想があったとしてもおかしい話ではない。
つまり、佐香智久さんがゲームフリークのデータ保管庫みたいなところに侵入し、「ふむふむ、オーバードライブというわざがあるのか、なるほどなるほど、使いましょうか」と暗い部屋で笑みを浮かべていたのだ。
しかしこれも否定できる。
なぜならこの曲は「ポケモンのアニメのOP」としてポケモンが公式に出した曲である。もしその中にリークの内容が混ざっていたら、公式が止めるに決まっている。そのため、ゲッタバンバンが作詞された時点で、「オーバードライブ」というわざはそもそもこの世に存在していなかったと考えるのが妥当だ。
じゃあなぜこのような不可思議な現象が起きているのか。残された仮説はもうこれしかない。
仮説3)わざじゃない説
考えたくなかったが、この「オーバードライブ」という言葉が、ポケモンのわざを想定したものではなかったという仮説を立てると、いろいろ説明はついてしまうのだ。
ここで、もう1回問題の箇所を貼る。
[1番]
ぶつかりあって
燃える思いオーバーヒート
[2番]
エンジン全開
はやる鼓動オーバードライブ
このある意味で対句のような構造からして、オーバードライブはわざの名前だと考えてきたが、それよりももっと明らかな対比がある。
この人は、オーバー〇〇という言葉を連ねたかっただけなのではないか、と。
ポケモンの曲であるからにはカタカナ語はポケモンのわざのように考えてしまうが、話はもっと単純だったのだ。
ただ単に、1番で「オーバーヒート」という言葉を使ったから、2番で「オーバードライブ」という“過負荷”の意味をもつ言葉を使っただけなのではないだろうか。
ポケモンのアニメでそんなことするか?ということは1回置いといて、この結論がいちばん妥当で、現実味がある。
そう、私たちは考えすぎたのだ。まさに思考のオーバードライブとでも言おうか。
だから今回は、「まあそんなわけないよね、あはは」で終わらそうと思う。
謎は謎のままがいちばん美しいのだから。
(おわり)
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