WD#93 化学部から心が離れている
ご存知(かどうかは知ったことではないが)の通り、私は高校に入って化学部に所属するようになった。本来なら物理の方が好きなので物理部に入れば良いのだが、物理部に本当に人が少なくて、これだと寂しいなあ、と思いまだある程度の人数がいた化学部に入ることにした。
化学部での思い出といったらそりゃあたくさんある。大会にも出たし、文化祭でショーをしたこともあった。良いものも、そしてもちろん悪いものも込めて、さまざまな体験をさせてもらっている。
そんな化学部との関わりが今、かなり危ういラインになっている。これが今自分の中で結構悩み事になっているから、なぜこのような状況になったのか、という根本的な点から追ってみたい。今回はそんな回です。
今起こってる問題を端的に言うなら、「化学部に全然行ってない」ということである。ではなぜこうなったか、まずは2年生の初めまで遡ってみよう。
2年生になると、化学部内でも新しいテーマを考えていかねばならず、去年私が立てたテーマは続行で、新たにもう1つテーマが発足した。私は普通なら去年から続投なのだが、1年のときの研究がしんどすぎて嫌になり、別の新しいもう1つのテーマのメンバーとして活動することになったのだ。
まず、ここで化学部との距離が1段階空く。なぜなら、前まで自分が立てたテーマで研究をしていたからかなり責任感も持って取り組んできたが、2年から完全に他人の研究に乗るということになったからだ。つまり言い方をめちゃくちゃ悪くすれば、“他人事”なのである。こうなってしまった時点で、化学部に対する熱意はかなりクールダウンしたのだ。
また、私自信通ってる東進の受講が忙しくなったりしたこともあり、そこからあんまり部活に行かない期間があった気がする。
するとどうなるかお分かりだろうか。
そう、置いていかれる。
もう何が何だかわからない。ただでさえ結構計算とかしなきゃいけない研究だったので、もう今この人たちが何をしているのか、全くわからない。その器具は何?その溶液は何?
ただ、ここで「わからないからなにもしない」というのが1番良くないのは流石にわかるので、同じテーマの人を捕まえて大体の説明を聞いたりした。ただ、それでも完全にはわからない。こうして段々、雲行きが怪しくなってくる。
夏休みに入ると、そりゃ化学部もある。しかし、コロナになったり、そのせいで予定の受講が詰まったりしてもうはちゃめちゃに忙しくなってしまい結局全然夏休みも参加できずじまい。
2学期に突入してもその離れた距離が縮まることはなく、以前の日記で書いた体育大会もあったりして、参加するという形以外での化学部との関わりもあったりした。
しかし、2学期は化学部も大会が多く、流石に正式部員としてそこに参加しないわけにはいかない。でもろくに参加してないし、内容も全く把握してない私は、結果としてもともとやってた研究の第二シーズンの発表のメンツになり(ていうかそもそも2年で私が所属していたテーマはほとんど大会に行ってない)、しかもその内容も全く知らないので、研究の動機などを喋って終わりという1番簡単な役を割り振られた。多分その時から見切りはつけられてた。
でも、さらに、私は2年から研究活動が始まったこともあってそっちの発表会の準備と化学部の発表練習がすごく被る。私は化学部じゃない研究活動の方ではリーダーをやってるからそっちを優先せざるを得ない。でもそうなるとせっかくもらった化学部の発表の機会なのに、結局あいつは発表練習にも参加しないのかという目線を部員から受けそうだなと思う。事実、自分が部員側ならそう思ってしまうから。
そのため、夕方5時半くらいにクラスの方の研究発表の準備を切り上げて、そこから7時くらいまで化学部の発表練習に顔を出すことにした(時間に関しては後で言及する)。
でも、化学室に現れた私を部員の人は決して咎めなかった。良い人たちすぎる。より一層申し訳なさが強まる。
幸い喋る能力は割とあるつもりなので、初見の研究がまとまったポスターを見て自分の箇所をノリで何とか話すことができた。多分ここでグダグダになったら殺されると思いながら話したのでめちゃくちゃ緊張した。生徒同士なのに。
まあ結果としてはその化学部の発表会はかなりうまくいって(その中の私の貢献度は5%にも満たないが)、全国大会に今年行くことになっている。その話にも、後々繋げていく。
ここまでの流れで分かる通り、私はかなりこういうとき「考えすぎる」タイプの人間で、「まあ良いか!あはは!」というような楽観的判断をしづらい。ましてや今回は人を巻き込んでいるので、例え部員の人たちが私を悪く思っていなかったとしても、私自身が「まあ部員の人は特に気にしてないだろう」と推測するのは絶対違うと思う。一人間の態度として。
ちなみにこの「考えすぎる」性格はかなり厄介で、LINEとかで文面を送ってもその後から「あ〜でもここがこうなってるからなんか強い言い方になっちゃってるな〜、相手気にしてないかな〜、大丈夫かな〜。」というようなことを結構な頻度で思ってしまう。昔にやらかしたこととか嫌な思い出とかは今思い返しても嫌な気持ちになるし、些細なミスでも割と引きずる。
多分この化学部との距離問題は、そうした精神的な問題も一部は関わっている。
まあ、とにかくこのようにして2学期は終わった。どんどん距離ができてるのがこの文だけでも伝わると思う。伝わってなかったらごめん。
そして3学期の現在、私はほぼ行くのをやめた。1番大きな理由として、「勉強を優先せざるを得ない」ということがある。
今年に入って、早速東進の講座受講が滞り始めており、今やかなり手に負えない事態になっている。まあ私が選んで取っている受講だし、入試に備えて確実に力になってるので何も文句は言えない。
そんな中、化学部の私が一応所属していたグループも発表会があるらしく、年始の方はたまに顔を覗かせていたが、これがね、もうバリバリ平気で延長するんですよ!!活動時間を!!大会数ヶ月前から!!おかしくない!?
なんかそのプロセスが、「やろうとしてる実験がある」→「それが時間内ではできないから延長する」なんだけど、それって部活のスタイルとしてかなり劣悪だと思う。そんなスタイルは大学の研究室とかで、我々が部活という範疇でやる上では「制限時間がある」→「その時間内でできる実験を考える」っていうプロセスじゃないとおかしい。でも既に部員には「時間は延長できる」っていう考え方が刷り込まれちゃってるからこういう始末になっている。先生とかが快く時間の延長を受け入れてるはずがない。
そんな延長ありきな研究で賞をとってもなんの名誉でもない。他の学校の、もっと時間に誠実なグループに譲るべきだとさえ思う。
1月に何回か部活に行ったが、そのとき部員が実験のセットをしてタイマーをセットしたかと思うと「じゃあここから1時間ね」と18時くらいに言い出して、「もうここまで来ちゃってるのか」と絶望した。しかし、周りの部員も特に驚いていなかったので発言はあまりできなかった。私が行ってない間に、いつしかこういう環境になってしまったんだ。
そしてその日を体験して以来、「私はこんな部活に毎回きてたらろくに東進に行けなくなって勉強に手がつかなくなる」と悟り、心の中の天秤の「勉強」の皿におもりを1つ乗せた。
途中まで参加して帰れば良いという意見もあると思うが、受講の切迫状況から判断して長くても30分くらいしか行けない。しかもやってる研究内容は分からない。そんなやつがわざわざ部活に行ったところで、部内の生産性は向上するのだろうか。
最近友人らにたまに部活に行ってないことを指摘された時「自分がいなくても回ってるから大丈夫」という言い方をしているが、これはある意味「自分がいても回せない」の控えめな表現に過ぎない。だって延長しちゃってる時点で部活としては回っていないから。
でも、それが人手不足で回っていないんだとしたらそれは私の影響もあるだろうから申し訳ない(ただやってる実験がそもそもめちゃくちゃタイムパフォーマンスが悪いとも思う)。
このようにして私は化学部からどんどんフェードアウトしていっており、多分ここから部活の頻度が増えることはまずない。完全に「勉強」にシフトしたことになる。そうなると、さっきの話で出た全国大会も懸念点である。
この全国大会、8月なんですね。受験生、8月、もう1日も無駄にしたくないところを2泊3日やられるらしい。ハッキリ言って嫌すぎる。いや、そりゃ全国大会行けるのは凄いしもし推薦入試とかで書類書くことになったらそのこともバリバリ書くよ⁉︎でも、単純に受験勉強のボーナスステージみたいな夏休みを3日もそういうのに取られるのは流石に痛い。まあ、単語帳とか問題集とか嵩張らない程度に持っていくか。ここで「勉強したいので嫌です」って言うのも感じ悪いしな。
ここから先部活に行くことになるときは、おそらくそれは全て「妥協」になってしまう。行きたいから行くのではなく、「流石にそろそろ一回顔出しとかなきゃヤバいか…」と思って行くことになる。もう完全に、心は離れきってしまったのだ。
いつもなら、「でも、今でも私を見捨てていない化学部のみんなを、私も見捨てたくない。」など、何とか腑に落ちるまとめをして終わるところなのだが、今回はそんなものはない。もう決まってしまった未来への流れに、ただ身を委ねることしかできないのである。
そういえばこの文章が化学部の人に読まれる可能性を全く考えていなかった。まあ、ここまで書いてしまったんだからしょうがないか。嘘ではない。これが私の正直な気持ちです。こんな身勝手な自分をどうか許して下さい。
【今週の来てないお悩み相談】
友達と喧嘩してしまいました。いい仲直りの仕方があったら教えて下さい。
仲直りね。難しいよね。いつも親しく接してた人が急に怖くなる。でもそういう時は、否が応でも自分の非を認めることが大事です。何が悪かったのか、一回冷静に考えてみて、そのことをまた伝えたらいいんじゃないかな。友情ってのはそんなにすぐ崩れるものでもないよ。