見出し画像

WD#59 ソフトウェアアップデート

 最近、ソフトウェアアップデートが来ているらしい。私が日々愛用しているスマホにも、家で使ってるタブレットにも、どちらにもソフトウェアアップデートのお知らせが来ている。しかし、このアップデートがなかなかな曲者だということをみなさんも知っているはずだ。 
 そう、このアップデートはデバイスが深夜に充電されていないと行われない。多分アップデート途中で電源が切れたりしたらダメだから、といったような理由なのだろうが、このシステム、非常にイライラしてますよ、私。というのも、私はスマホのアラームで起きてるので、基本求められている時間に充電できない。そのため、朝起きるたびに「ソフトウェアアップデートが実行できませんでした」と言われ、「今すぐソフトウェアアップデートを実行しますか?」と尋ねられ、さすがに今やられても触れなくなると困るので「あとで」を選択し、すると「夜間充電中に自動でインストールするためパスワードを入れてください」と言われ、眠い目をこすりながらパスワードを入れるという日々がここ1週間ほど続いている。どうせまた明日もこれと同じことを繰り返すんだろうなあ、という予想も薄々できているのに。こんなストレスフルな1日の始まりはない。ただでさえ私は朝とてつもなく機嫌が悪いのに、こんなことされて心に負荷がかからないはずがないのだ。
 しかも、このソフトウェアアップデートが来たとしても、どうせカメラがちょっと良くなってスタンプが少し追加されるだけであり、ほとんど前と変わらない。なのに、そんなもののためにわざわざ朝にパスワードを入力させられている。由々しき自体だ。
 ただ、これを読んでくれている人の中で、もしかしたら「別にパスワード入れるくらい我慢しろよ」という人がいるのかもしれない。確かにそうだ。だが、これは朝だ。朝といえば、人間は必要最低限のことしかできない時間である。そんな時間帯においてはパスワードを入力することさえもはばかられるというのは、皆さんも経験則から分かるのではないか。
 しかし、こんな気分になるのは「朝だから」という理由で一蹴するべきではない。もう一つの理由として挙げられるのは「夏が近づいているから」という点である。そう、あの忌まわしくて人間をただただ衰えさせるためだけにある季節、が。
 最近になって梅雨入りしてからというもの、どうもなんだか気だるい感じがしてならない。涼しくはなく、しかしとてつもなく暑いわけではない。普通に歩いていると汗をかくくらいの一番嫌な気候だ。もう本当に嫌なんですよ。どうにかしてくれ。誰か。そんないやーな気温を目覚めたときからかなり感じるので、このソフトウェアアップデートに対するストレスもより増幅されているように感じている。冬とかならこうはなってない。
 
 といったようにここまでソフトウェアアップデートに関する不満を述べ連ねてきたわけだが、完全に書けることがなくなった。最初は「まあこの話題一本でも何とか書けるだろう」という気持ちでいたのだが、実際書いてみると1000字ちょいで完全に終了。
 ただここで終わるわけにはいかないんですよ。手を抜いている回なら別にいいんだけど、こうして文をしっかり書いている日にこんな字数で終わるわけにはいかないという精神が間もなく60週間を迎えようとしている中で形作られてしまっている。「別にいいんだよー」と言われてもここは譲れない。前回も「短めです」と言っておきながらジャスト2000字に収めた。断っておきながらもしっかり裏で意識してるなんて小賢しい。

ということで、ここからは即興紙芝居をご覧ください。



割と最近、ある小さな村がありました。

そこではたくさんの子供が遊んで楽しく暮らしていましたが、たまに子供たちが「遊びとはなにか」という究極の疑問を抱えることがありました。

すると子供たちは遊ぶことを放棄し、「遊びとは何か」を考えることに集中し始めたのです。しかし、子供たちの発想力で、遊びの正体を暴くという行為は極めて困難を極めるものでした。

そこで、そんな子供の1人である太郎くんのお父さんの七三郎が、太郎くんに思い切って聞いてみました。
「太郎、遊びとは何かわかったのかい?」
「パパ、結構いろんな思慮を巡らせてみたんだけど、どうしても正体の一歩手前の段階で終わっちゃうんだ。となりのミオちゃんは正体がわかったって言ってたんだけど、あの子はそうやってすぐ結論づけるからあまり信用できないんだよ。」
「そうか。また結論まで辿り着いたら教えてくれよ」

それから20年後、太郎くんは社会人となりリクルートに就職しました。しかし、彼の頭の中には常に「遊びの正体とは何か」という疑念が残留しつづけているのです。
いつしかその疑念は、それを解き明かすまでは死ねないという太郎くんの生きる意味と化していたのでした。

そしてある日、太郎くんは気付きました。「ああやって遊びの正体を探していた日々こそ、我々にとっての遊びだったのかもしれない。そう考えると、我々の生活はすべて遊びなのだ」と。
すると太郎くんの身体は一瞬で灰となり、その灰はわずかに東京の街に降り注いだのでした。

(おわり)




【今週の素人星座占い】

一位 山羊座

ゴルフをやるとイーグル確定。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?