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私を赤沼に連れてって


占いは好きですか?

そんなものを信じるなんて、どうかしてる!
と、鼻で笑う人もいるけれど
目に見えない不思議な力を、信じている私は、
毎日を、ドラマチックにしてくれる占師が好きです。

近年、テレビ番組でも占いがブ-ムになって、人気占師が何人も登場していますが、かなり前にもテレビで流行って、ワクワクしながら見ていた記憶があります。

その占師の言うことにゃあ
函館の赤沼という、霊泉が湧き出ている聖地があり、そこへ行くといい事があるとのこと。
近くにあるのに、行かないてはありません。
友人3人に声を掛け、その場所を探して行ってみる事に。

赤川水源地から、さらに山奥にその場所はあります。
途中までは車で行けたが、先細った山道を、徒歩で歩き出す。
途中、道がふたまたに分かれていたが、その頃はまだスマホも無かったし、見た感じちょっとだけ太い道を選んで進んだ。
1時間以上、くだらない事をしゃべりながら、ぶらりぶらりとふざけながら、どこか当て所ない旅でもしているみたいな感じだった。

しばらくすると、道路脇に"熊出没、注意!“の看板が建っていたので、きゅうに恐さと寂しさが出てきて、友人のひとりが「ピクニック」を歌い出した。
なるほどねーと思い、4人で合唱して笑いながら進んだ。
これなら熊も出ずらいだろう!

どのくらいかかったのか覚えていないけど、途中から道が広くなって、歩きやすくなった。
聞こえくるのは鳥のさえずりと、風で揺れる木々の音。
そして深緑の清々しい香りが、突如、強い硫黄の匂いに変わった。

「あーっ!あそこがそうなんじゃない⁈」
気が急いて、私は早足になった。
赤沼らしき場所に近付いていくと、かなりキツイ匂いがする。
その匂いとは裏腹に、この世のものとは思えないほどの、青く澄んだ美しい沼が現れた。

それほど大きくなく、一番深いところで2メ-トルは無いだろう。
その奥の奥まで、くっきりと鮮やかに見える。
その沼底には、卵らしき白い物体が、数個沈んでいる。
多分、御供えの様な物なのだろう。
近くには小さな祠もあって、キレイに祀られている。
赤沼というより青沼だ。

神々しいほどに青く美しいその沼は、触れてはいけない雰囲気を放っていたけれど、恐る恐る指で水を撫でてみた。
もしできるものならば、そのいちばん深い場所へ飛び込んで、全身を清めたい!
いや!水(聖水)事態になって、流れ出たい。
そんなふうに思うくらい、その沼の虜になった。

その後の事は、あまり記憶にないけれど、その場所に出逢えたことは、私の宝物になっている。
後に、いい事があったかどうかは、あまり意味がない。


いつだったか、車を運転していたら、助手席の娘が
「お母さん、変な虹が出ているよ⁈」
と言うので、フロントガラス越しに空を見上げたら、短くて真っ直ぐな虹が浮かんでいた。
「本当だ!変な虹だね。写真に撮ったら…!」
と言うと、素直にスマホのカメラのシャッターを押す娘。

出来上がった写真は、何故かピンボケのようにぼやけている。
よく見るとピンボケでは無く、うっすらと霧のようなモヤがかかっていた。

そして、その写真を、瞳から少しずつ離して、遠目に見ると…
なんと!!龍がどアップで、こちらを見ている!
目が合っちゃった〜(これは娘ではなく私自身です)笑
モヤが龍の輪郭になっていた訳です。
そんな嬉しい瞬間を、今も覚えています。

虹は、空に出ていても、見ようとしない人には、見えない現象なのだそう。
娘に言われなければ、気付かなかったかも。

水の神様である龍が、虹となって現れる、と言う神秘的な説があるそうです。

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