医療資源は無限じゃない! 小児医療に熱くなったワケ
過去にもあった、医療の危機
コロナウイルスの流行で、多くの方が医療のありがたみを再実感したと思います。
平成10年代にも医療の危機がありました。
救急車には乗れたけど、救急病院がどこもいっぱいで、急患の受け入れが可能な搬送先が見つかるまでに時間がかかる。
いわゆる“たらい回し“のケースが頻出してしまいました。
これは、『小児・周産期救急の危機』として、全国で社会問題となりましたね。
年少人口は増えた。小児科の数は?
その社会問題がおきた当時、港区周辺には救急を取り扱う大病院がたくさんありました。
だから病院の数だけでいえば、医療資源に問題はないように見えたのです。
でも、ちょっと待った。
『病院数が多い=医療が充分』ではないよね?
たとえば、インフルエンザが大流行したら、小児科はたりるかな?
お医者さんや看護師さんのQOLは大丈夫?
恵まれた環境に“あぐら”をかいてちゃダメだ! しっかり調べなくちゃ! と。
強くそう思ったんです。
実態調査の結果、港区では子ども達の数が急増中だったのに、小児科の数は横ばい。
だから、ひとたび、カゼやインフルエンザが流行すれば、待合室に子どもがあふれる状態でした。
“救急” のステージ - 初期救急は区の責任!
調べを進めると、ある統計データによれば救急で診てもらった小児科の患者さんのうち、9割が『軽傷』と診断されていることもわかりました。
夜間や休日に、「鼻水がでるなぁ」「熱っぽいなぁ」ということで、救急にかかる場合が多かったそうです。
このような “コンビニ受診”で救急病院の利用があると、一分一秒を争う重いケガや病気の患者さんへ、しわ寄せが……。
これは早急に走って、動いて、変えないと!
解決する糸口は、夜間や休日に利用できる初期救急(とくに小児科)を増やすことでした。
初期救急とは、いわば近所のクリニック、かかりつけのお医者さんというイメージです。
もし、子どもの体調が悪いときに、深夜だろうと日曜だろうとお医者さんに診てもらえたら安心ですよね。
しかも、入院や手術が必要な患者さんを受け入れる二次救急が、初期救急の患者さんでいっぱいにならずに済む。
二次救急のエリアわけと指定は、都がやっています。
その一方で、初期救急のニーズをきちんと満たせるよう整備するのは、区なんです。
区が果たすべき責任として、初期医療の整備は絶対に必要!
そう強く感じて提案したのが「小児初期救急」。
根気強く訴え続けた結果、冬季の『小児対応休日診療制度』として、平成23年に実を結びました。
私が創りたい未来を語るとき、子どものことが最初に出てきます。
それは、小児初期救急実現のために走り回った、あのときの気持ちを、いまも強く持っているからなんです。
その後、小児初期救急の考えと制度は、拡充が重ねられてパワーアップ!
現在は『みなと子ども救急診療室』が愛育病院で実施されています。
休日診療・小児初期救急診療の一覧は こちら
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