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母へ 短歌2

勉強の 
べの字も言わぬ 母の背に
教わりしは 生きる力なり

勉強をしなさいと言われたことはありませんが、わたしは兄妹の中で一番勉強好きでした。それ以上に、母の背中から、多くの苦難を乗り越える術を身につけました。


おんなだと かるくみての 
むりなんだい しゃちょうの
あたまにおきみやげせし

ひどいこと言われたので(内容はわかりません)、社長の頭をスリッパでたたいて帰ってきたと言っていました。
その会社をやめたかどうか、私は小さかったので、記憶にありませんが、それを聞いた私は強いなあ、とビックリしました。
まあ、それ位強気でないと、子どもは育てられませんね。

あにかなし いんねんつけられ ふるえらん たんかきるはは
 やくざたじろぐ


聞いただけでも恐ろしいですが、よく無事だったなあと思います。小さい母が大きな男の人に向かって、何やら言ったそうです。兄はおとなしい人でした。ヤクザは絶句。何も言い返せないで、去ったそうです。子どもを守るために必死だった姿に圧倒されたのでしょうか。

うつくしく きかざることなき
ははのいっしょう
しでのたびじに けしょうひん

着飾ることなく、お化粧もしたこともなく、母は静かに往きました。せめてもと思い、棺桶に化粧品や、美しい服を入れて見送りました。

これで、母への短歌は終わります。最後まで読んでくださり、有難うございました。

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