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【植物手帳】杜鵑草 ホトトギス
杜鵑草
ホトトギス
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若い時は
紫色の斑点模様が
どこかおどろおどろしく
あまり美しいとは思わなかった
ホトトギス
.
油のシミののような模様から
「油点草(ゆてんそう)」
と呼ばれたり
英名は「トード・リリー」
ヒキガエルのようなユリと
呼ばれていたりします
.
けれど大人になってみてみると
なんだかかっこいい
.
茶道で言うところの
渋いと言うのでしょうか
.
昔から愛されてきたのかと思い
調べてみると
花を観賞するようになったのは
江戸時代からと比較的新しい
.
匂いもなく
食用にもならないので
そこまで注目されなかったのでしょうか
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基部の黄色が蜜標になっていて
虫が蜜を吸いにやってきます
ホトトギスと名がついたのは
花や葉の斑点模が
鳥のホトトギスの
模様と似ていることから
.
どんな鳥だったかと
写真を見てみると
斑点というより
胸のあたりは縞模様をしています
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尾のあたりが点々としているので
そちらを見たのかもしれません
.
鳴き声は
「ホンゾンカケタカ(本尊欠けたか)」
「オットコイシ(夫恋し)」
「オトットコロシ(弟殺し)」
「オトットコイシ(弟恋し)」
など様々に言い表されています
.
弟殺しとは
いささか狂気じみていますが
これはホトトギスの民話から
.
目が見えない兄を
弟が献身的に世話をしますが
兄は自分が目を見えないことをいいことに
弟が密かに芋づるの不味いところを
食わせているのではないかと疑い
弟を刃物で殺してしまします
.
この時兄の目が突然見えるようになり
腹を割ってみると
粗末なものしか食べていないことがわかり
(弟恋し)と喉の限りに鳴き通す鳥に変じました
.
またホトトギスの花の斑点模様は
喉から血を吐きながら血とも
言われています
.
結核を患っていた正岡子規は
この話を自分と重ねて
俳号を「ホトトギス」と名乗っています
.
そんな話を聞いて
花の色をを見てみると
深みが増してくるように
思えますね
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花言葉は
「秘めた意志」
「永遠にあなたのもの」「永遠の若さ」
.
Tricyrtis hirta
ユリ科
ホトトギス属
花期:8~11月
原産地:日本
.
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