【植物手帳】伊呂波紅葉 イロハモミジ
伊呂波紅葉
イロハモミジ
このたびは
幣も取り合へず
手向山
紅葉の錦
神のまにまに
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百人一首に入っている
菅家(菅原道真)の一首
.
小学生の時に
この歌を聞いたときに
神のまにまに
というフレーズに
笑いながら覚えたのを
思い出します
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「神のまにまに」は
神の御心のままに
という意味
.
道祖神に幣(色とりどりの紙を細かく切ったもの)を
捧げようと思うも急な旅で用意ができず
代わりに紅葉を捧げます
といった歌意です
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「まにまに」に気を取られてしまいますが
たびは度と旅
手向は山の名前と捧げる意味が掛かった
掛詞が2つも入ったテクニカルな歌
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学問の神様らしい
技術的にも優れた一首です
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紅葉する葉はたくさんありますが
私が神にささげると考えたなら
やはりこのイロハモミジでしょうか
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鮮やかな赤
黄色そしてグリーンと
様々な色が楽しめる
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葉は小ぶりで繊細な趣
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どこに行っても重宝され
良く植えられているのを
拝見します
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葉は5~9裂に分かれ
それをイロハニホヘトと
数えたのが名前の由来
紅葉は
冬になって光合成の効率が悪くなると
葉の根元に離層をつくり
水分や養分を行かないようにして
エネルギー消費を抑えます
.
紅くなるのは
緑色に見えるクロロフィルを
分解してできる
アントシアニンによる作用
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なぜアントシアニンができるのか
はっきりとはわかっていませんが
強すぎる紫外線が
植物の害にならないように
生成されると考えられています
.
鮮やかな赤色になるには
気温の他に太陽の光も必要で
よくよく観察すると
影になった陽のあたりが
よわいところは青々しく
残っていることが多いです
紅葉にばかり目を奪われますが
種の形が変わっていて面白い
.
小さな翼のようなものがついていて
風に舞いながら落ちていきます
昔寺院のイロハモミジの
剪定をしていた時にこの種が落ちるので
参拝客から「おサルさん、もっと飛ばして」と言われ
猿ではないのだけどな~と思いながら
樹を揺らしていたのを思い出します
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緑から赤に変化することから
「美しい変化」
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また紅葉狩りで遠出することから
「大切な思い出」
の花言葉がつけられています
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Acer palmatum
ムクロジ科
カエデ属
原産地:日本固有種
花期:4~5月
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