【植物手帳】蔓人参 ツルニンジン
蔓人参
ツルニンジン
草紫陽花のあとから
ひょろりと顔をみせていた
ツルニンジン
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陽の光が欲しいのか
ツルを器用に伸ばしていました
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つり下げたツルは
自由な曲線を描いていて
なんだかおもしろい
花は口の広いベル型
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表は白無地
中をのぞくと
落ち着いた紫の模様が
裏地に模様をつけるとは
なかなかのお洒落さんです
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しかしこのツルニンジンの別名は
「爺そぶ(じいそぶ)」
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そぶは木曽の方言で
そばかすを意味するそうで
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床の間に飾れば
シックで美しそうな花ですが
そばかすとは
なんだかかわいそうですね
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爺さんもあれば
婆さんもあり
こちらは「婆そぶ(ばあそぶ)」
と呼ぶそうです
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どちらもよく似た花で
見分けがつきづらいのですが
最もよくわかるのが種の違い
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ジイソブは種が白みを帯びて翼がついていて
バアソブは種は黒、翼はついていません
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翼のついたジイソブは
風に乗って範囲を広げられますが
バアソブはその周辺だけに
とどまっています
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あまり拡がらないバアソブは
数が少なく
絶滅危惧に指定されています
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爺さん婆さんと
昔の人は見た目はそこまで
良しとしなかったかもしれませんが
食べることに注目していたようで
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地下には塊根があり
山海螺(さんかいら)
四葉参(しようじん)
と呼ばれる生薬になります
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民間療法では
痰切りや倦怠疲労
に効果があるとされています
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花言葉は
「感謝」「誠実」
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Codonopsis lanceolata
キキョウ科
ツルニンジン属
花期:8~10月
原産地:日本・中国・アムール地方
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