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『風の歌を聴け』読んでみた

村上春樹の作品。今まで食わず嫌いをしていましたが、好きなYouTuberさんが村上春樹の作品をおすすめしていたので、読んでみました。

以下、ネタバレありで、自分の好きな部分を書いていきます。
出典は村上春樹『風の歌を聴け』、講談社、2004年。

「完璧な文章などといったものは存在しない。完璧な絶望が存在しないようにね。」

7p

聞いたことのある文章が見れました。

彼が生きていたことと同様、死んだこともたいした話題にはならなかった。

9p

もしあなたが芸術や文学を求めているのならギリシャ人の書いたものを読めばいい。真の芸術が生み出されるためには奴隷制度が必要不可欠だからだ。古代ギリシャ人がそうであったように、奴隷が畑を耕し、食事を作り、船を漕ぎ、そしてその間に市民は地中海の太陽の下で試作に耽り、数学に取り組む。芸術とはそういったものだ。
夜中の3時に寝静まった台所の冷蔵庫を漁るような人間には、それだけの文章しか書くことはできない。
そして、それが僕だ。

13p

まるでロールシャハ・テストにでも使われそうなその図柄は

15p

「そりゃそうさ。みんないつかは死ぬ。でもね、それまでに50年は生きなきゃならんし、いろんなことを考えながら50年生きるのは、はっきり言って何も考えずに5千年生きるよりずっと疲れる。そうだろ?」
そのとおりだった。

18p

僕は番号調べを呼び出し彼女の名前を告げたが、交換手は5分間捜しまわった末に、そういったお名前ではどうも電話帳には載っておりません、と言った。そういったお名前では、というところが良い。

69p

嘘をつくのはひどく嫌なことだ。嘘と沈黙は現代の人間社会にはびこる二つの巨大な罪だと言ってもよい。実際僕たちはよく嘘をつき、しょっちゅう黙りこんでしまう。
しかし、もし僕たちが年中しゃべり続け、それも真実しかしゃべらないとしたら、真実の価値など失ってしまうのかもしれない。

131p

彼の墓碑には遺言に従って、ニーチェの次のような言葉が引用されている。

「昼の光に、夜の闇の深さがわかるものか。」

157p

なんか暗い雰囲気の話だった。
読後はやや粘り気のある青黒い液体が付いた、みたいなそんな感じ。
ただ僕の好きなテイストではなかったです。残念ですが、まだ好きにはなれません。

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