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【成果報酬】は自信がないから

「完全成果報酬」で営業を支援!
サービスに自信があるからこそ「成果報酬」で!
よく見る広告のアイキャッチです。

成果報酬だからオーダーしやすいし、単価が明確であれば予算も調整できる。無駄がない。
発注する企業も成果報酬を求めてきます。

営業支援としてアウトバウンドコールがメインのコールセンターを経営している私も、起業当初はアポイント提供の成果報酬で仕事を取っていました。サービスを成果報酬で案内することは導入してくれやすく、実績を積むという点ではいいかもしれませんが様々な問題がおきます。
これまでの経験から「成果報酬」での販売は、デメリットの方が大きいので、それを紹介していきます。

成果報酬でのサービス販売における
メリット
・販売しやすい
デメリット
・売上が安定しない
・キャッシュフローが悪い
・成果の定義付けが顧客主導になる


〈私の失敗談〉
起業当時の私の失敗談をご紹介します。

大手キャリアメーカーからの受託ケース
大手ということもありコールリソースを大量に確保しプロジェクトに臨みました。
本プロジェクトの成果の定義は、
・機械の無料設置(店舗ベース)
・設置店舗にはQUOカードプレゼント
という好条件で、コレは成果獲得に期待が持てるという判断でした。
報酬単価は基準よりも低いものの、リードが大量に確保でき、3ヶ月の稼働期間中は大量のリードを提供してあとは報酬を待つのみという状況でした。

しかし待てども待てども報酬獲得結果の報告が来ず、状況を伺うと「半導体不足で機械が生産できない。」リード提供だけでは成果にならない。とのことでした。
本プロジェクトを受託していた別会社とも連絡を取ってみるも同じ状況でした。

コールセンターは人件費がかかる事業なので、翌月までに回収しないと運転資金が目減りしていきます。大手とケンカしても勝てるワケはないので一縷の期待の残しながら撤退致しました。
結局、提供したリードから成果になったという報告はありませんでした。
大手との取引こそ慎重に。と勉強になりました。


負の連鎖
上記プロジェクト撤退後、余ってしまった大量のリソースを消化しないといけません。ここで私はまた成果報酬の案件に手を出します。
更に報酬単価の低い案件で、中国企業のモバイルバッテリーレンタル事業でした。
成果の定義は、「機械の無料設置のみ」でした。

これもトントン拍子でリードを獲得しましたが、なかなか報酬に繋がりません。
企業側が業種NG、店舗NGをどんどん出してくる事態になりました。
結局このプロジェクトも赤字になり2ヶ月で撤退しました。
余談ですが同企業は、半年後モバイルバッテリーレンタル事業から撤退していました。


〈失敗から学んだこと〉
成果報酬での受託は、上記のようなリスクが伴います。アポイント提供の成果が一般的ですが、リスケになってしまった場合は翌月以降に繰り越し、キャンセル対応など、月末で読んでいた売上見込みが急激に減るという事態が頻繁に起こります。
契約時にどんなに確認をしても、成果の定義はクライアント側にあるということが、一番のリスクとなります。
また、報酬単価が20,000円、対応可能件数は月100件という案件があったとして、売上見込みは月2,000,000円だ。という計算は単なる皮算用にしかなりません。
成果獲得にかかるコストや各種コンバージョンも計算に入れないといけません。
仕事が欲しい時には、成果報酬案件は大量にあるので手を出しがちですが、同業他社も手を出している可能性が高いということも頭に入れておかないといけません。同業他社が同プロジェクトを同時稼働している場合はもちろんコンバージョンが下がります。
成果報酬で即受託してしまうと、クライアントとの関係性を向上させられないまま稼働することになります。お互いが不信感を持ちつつ稼働することは双方にとってデメリットでしかありません。


〈成果報酬は自社サービスに自信がないから〉
よく目にする広告の「成果報酬で〜」と謳っている企業は、自社サービスに自信がないんだな。と思うようになりました。もしくは、運転資金が潤沢にあるんだなぁと羨んでいます。

固定報酬や従量課金でコツコツ実績を積んで、サービスの質を上げて、新規開拓に時間をかけることこそが事業を安定化させられる近道だと私は考えています。
一定の稼働期間を経て、ある程度の実績と信頼を積み、平均CVが出た時に成果報酬へ切り替えることはリスクではありません。

クライアント側として、成果報酬で依頼する時のデメリットもありますが、別の記事で紹介します。

私のnoteでは、事業についての失敗談やハウツー系などを書いていきます。

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