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わしの日常(2022年2月)

2月〇日
将来の夢は?
と聞かれたら「走って日本一周!」と答えたい。

現在、毎日のように走っているのもその目標があるからだ。
本番のときは日帰りというわけにはいかない。手ぶらで走るのではなく、最低限の着替え等の荷物を準備する必要がある。
とりあえず脚力はもう充分備わったことにして、そろそろ練習を兼ねて実際にリュックを背負って予行演習の旅に出たらどうか。

第1弾は手軽なところで「とびしま海道」はどうだろう。
愛媛県今治市岡村島から広島まで総走行距離約80㎞。中間地点の呉で1泊。これなら「愛媛県から広島まで走って帰ってきた!」と胸を張って自慢できる。

問題は朝一番で蒲刈方面まで行くことだ。
自宅から広島駅まで行く電車はまだ走っていないので、5時前に事務所に車を置き横川駅まで歩く。
そして、JRと路線バスを乗り継ぎ大崎下島の住吉神社に着いたのが8時ちょうど。ここまで来るのに3時間もかかっている。

そして今から何をするかと言えば、「走って家に帰る」だけ。何だか馬鹿げていないか。恐ろしく無駄なことをしていないか・・。

気を取り直して走り始めて15分。
岡村島に渡る橋の手前辺りで、身体に違和感を覚える。肩が痛いのだ。
リュックが揺れるたびにキリキリ痛む。

このとき、既に肩が痛かった。


何度も立ち止まり、リュックと身体を固定させるヒモの位置を調整する。
実はこのリュック2日前に購入したばかりなのだ。ペットボトルを入れて近所を1回走っただけで、今日を迎えてしまった。
揺れるたびに肩のベルトの部分に通してあるワイヤーが食い込む。今までも様々な痛みに耐えて走ってきた。今回もきっと大丈夫。

しかしそのうちこの痛みにも慣れるだろうという淡い期待は、大崎下島から豊島、そして上蒲刈島に上陸するころには絶望に変わっていた。

肩にベルトが直接当たらないように、両手で肩ベルトを持ち上げて走るしかない。走りにくくて仕方ない!橋の上からリュックを海に投げ捨ててしまいたい。

コンビニのイートインコーナー。このまま置き忘れてしまいたい。

安芸灘大橋を渡り本州に上陸したころには、肩の痛みでもう走ることをあきらめて、ダラダラ歩きながら考える。
呉に着いたら、新しいリュックを買いに行こう。いやリュックはもう御免だ。小さなウエストポーチでいい。貴重品だけ持って帰ろう。
このリュックは宅配便で自宅に強制送還だ。それにしてもこのリュックは「ハズレ」だった。ネットで衝動買いしたのがいけなかった。「揺れにくい」って書いてあったのに、ポケットが沢山あって便利だと思ったのに、色合いも格好いいと思ったのに・・

リュックのせいでとんだ旅になってしまった。悪いのはリュックだ、俺じゃない。ああ朝からこんなにずっとリュックのことばかり考えて過ごす人間がこの世にいるだろうか?

今回の「旅ラン」は完敗だな・・・いや、待て違う!将来の日本一周に向けて多くの課題が発見できたと思えばいいではないか。大収穫だ。大成功だ!

試合に負けて勝負に勝つ、とはこのことだ。本番のときはどんなリュックがいいかな。帰ったら早速ネットで探そう。

2月△日
1泊2日の過酷な旅ランを終え自宅で体重計に乗って驚いた。
何と2㎏以上一気に減っている。きっと、リュックのたたりに違いない。

やばい!これ以上痩せ細ったら、僕の最大の趣味である「ダイエット」ができなくなってしまう。無趣味な男だけにはなりたくない。早く栄養を補給し、再びダイエットができる身体に戻さないと。

そうだ、あの店の「花びらチャーシュー麺」を食べよう。ドンブリ一面にパッと大輪のチャーシューの花が咲いているラーメン。この際だからライスとギョーザも頼もう。一体、何キロカロリーあるだろう?体重を少しでも挽回しないと。

好き・嫌い・好き・嫌い・・・チャーシュで花占いができる。

夜、これらを一気に食べ終え、さらにコンビニでスイーツとポテトチップスを買い、翌朝再び体重計に乗ると・・2.5㎏増。やばい!ダイエットしなきゃ!!

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