Confluence権限設定のベストプラクティス:情報セキュリティとコラボレーションを強化する方法
はじめに
現代のビジネス環境では、情報の一元管理と適切なアクセスコントロールが非常に重要です。Confluenceは、チームコラボレーションとナレッジマネジメントのための強力なツールですが、その真価を発揮するためには、適切な権限設定が欠かせません。
ここでは、Confluenceの権限設定について解説します。権限設定は、ドキュメントや情報のセキュリティを確保し、適切なメンバーが必要な情報にアクセスできるようにするための重要な要素です。適切な権限設定を行うことで、チーム全体の生産性を向上させ、情報管理の効率化を図ることができます。
Confluenceのグローバル権限、スペース権限、ページ権限の設定方法やそれぞれの権限の役割や適用例について紹介します。日常業務での課題解決にお役に立てたらと思います。
Confluenceの権限の種類
Confluenceでは、権限が以下の三つのレベルで設定されます。それぞれの権限がどのような役割を果たし、どのように設定されるかを理解することが重要です。
1.グローバル権限
サイト全体に適用される権限です。Confluenceのグローバル権限には下記のものがあります。
基本的にConfluence利用時に考慮すべきグローバル権限は「パーソナルスペース作成権限」と「スペース作成権限」になります。
なお、グローバル権限はグループでの権限付与になります。
パーソナルスペース作成権限(権限があると初回ログイン時に自動的に作成されます。)
スペース作成権限(サイトスペース作成権限)
ゲストユーザー追加/削除(組織管理者権限が必要)
匿名アクセス(Confluenceの公開設定)
JSMアクセス(JSM利用時にエージェントに使用権原を付与)
アプリ(アドオンに権限を付与)
2.スペース権限
特定のスペース内での操作をコントロールする権限です。スペースごとに異なる権限設定が可能です(そのスペース内でのみ有効)。スペース権限を編集できるのはスペース管理者権限を付与されたユーザーになります。ページ作成、編集、削除などの権限を設定できます。
スペース権限には左サイドバーにあるスペース設定から「スペース権限」を指定して権限設定にアクセスします。
各権限について記載します。
3.コンテンツの制限(権限)
個々のページ、ブログに対する操作を制御する権限です。特定のページのみを閲覧可能にしたり、編集を制限したりすることができます。
デフォルトではページ、ブログに制限はかかっておらず、オープンとなっています。コンテンツ制限には「編集制限」と「閲覧制限」の2つがあります。コンテンツ制限は画面右上にある鍵のアイコンをクリックして追加/削除します。制限の追加/削除は編集モードでも操作可能となっています。
スペース権限で「制御」の権限を付与されているユーザーが設定することが可能です。設定できない場合はこの権限を確認します。
鍵のアイコンをクリックするとウィンドウが表示され、編集制限と閲覧制限を選択することができます。
なお、閲覧制限は鍵のアイコンが赤くなり、鍵が閉まったアイコンに変化します。
閲覧制限の注意点
閲覧制限には注意する点があります。ページにかけた閲覧制限は、その配下にあるすべてのページに継承されます。そのため、その配下にあるすべてのページに閲覧制限がかかった状態になります。
下図の緑色のページに編集制限をかけると、緑色のページのみに編集制限がかかります。そのため緑色のページは編集することができなくなります(編集制限は編集制限をかけたページのみが編集できなくなります)。
次にピンク色のページに閲覧制限をかけます。すると閲覧制限の場合は配下のページすべてに制限が継承されるので、結果としてピンク色で囲われたすべてのページに閲覧制限がかかってしまいます。
閲覧制限はこのような動作をしますので注意が必要になります。
4.ゲストユーザーの権限
ゲストユーザーはグローバル権限から追加・削除することができます。
ゲストユーザーは無料で利用できる特別なユーザーで1つのスペースのみアクセス可能なユーザーです。詳細な権限はアクセス可能に設定したスペースのスペース権限で設定します。スペース権限の項目をご参考ください。
5.その他の権限
製品管理者
Confluenceの設定ができるユーザーロールです(権限が付与されていると画面右上に歯車アイコンが表示されます)。グローバル権限の設定を行うことができます。
公開リンク
公開リンクを有効にすると、そのリンクを知っているユーザーがアクセス可能になります。あるページのURLを知っているとそのページを閲覧することができます。運用にもよりますが、個人的には無効にしておいた方が良いきがします。
JSMアクセス
これを有効に設定すると、Jira Service ManagementでカスタマーがConfluenceで作成されたナレッジベースにアクセスすることができます。カスタマーに自己解決を促すことができます。
アプリ
Confluenceにインストールしたアドオンの権限になります。基本編集をしない方が良いでしょう。
まとめ
Confluenceの権限設定は、情報のセキュリティを確保しながら、効率的なコラボレーションを実現するために不可欠です。本記事では、グローバル権限、スペース権限、ページ権限の基本を解説し、それぞれの設定方法や適用例について紹介しました。
権限設定を適切に行うメリット:
1.情報の保護:
機密情報や重要なドキュメントを適切に保護し、誤操作や不正アクセスを防止します。
2.効率的な作業環境:
必要な情報に素早くアクセスできる環境を整え、チーム全体の生産性を向上させます。
3.役割に応じた権限付与:
各メンバーの役割に応じた権限を設定することで、業務の透明性と責任範囲を明確にします。
権限設定の見直しや調整は、定期的に行うことが重要です。特に、プロジェクトの進行やチームメンバーの変更に伴い、権限設定を再評価し、必要に応じて更新していただけたらと思います。