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医師免許早期換金メソッドの脆弱性について

2年間の初期研修医を終え、そのまますぐに美容医療へ進むことを「直美(ちょくび)」というらしい。

確かに僕の研修医時代と比較すると直美を志望する研修医の先生は増えている。

理由は想像できる。

働き方改革を中心とした、医師の待遇悪化を憂慮しての動きだ。

そのほかにも後期研修を途中で中断し、バイト専門の医師になる者や、訪問診療、健診センターなどに転職する医師も増えている。

もちろん職業に貴賎はない。

どれも大切な仕事であり、需要があるから高い給料が支払われるのである。

一方で、少し気になることもある。

そう言った進路を選択する際のモチベーションについてだ。

少なからず、こう言った意見を聞く。

「忙しい科はコスパが悪い。」
「独り立ちまで時間がかかりタイパが悪い。」
「業務内容よりも金融資産を築くことが優先。」

この意見が完全に間違っているとは思わない。

一方で、医師としてそれなりの年数や経験を積んだ方なら、

「違うんだよなぁ。そう簡単じゃないんだよ。」

と違和感を覚えるだろう。

「医師の待遇は悪化していくのだから、医師免許を早期に換金し身を守るのが得策だ。」

この定説が潜在的に孕む危険性をここでしっかり考察しておきたい。

将来に迷う若い先生方は、特に読んでいただくことをお勧めする。

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