見出し画像

ズンドコピマズン#2「アートブック8,000円の怪」

はじめに

これは、ピマズンの裏話である。
もしかしたら時系列に記憶違いがあるかもしれないし、だいぶ真面目にふざけて書いているので、いちピマズンメンバーのドタバタ半フィクションと思ってくれたら嬉しい。

あれをあれした日記

さあみんな準備はいいか?

このズンドコピマズンに辿り着いたということは、表のピマズン日記はもう読んだということだね。

ここから先は表みたいにかっこいい日記じゃない。
ピマズンメンバーがこのクラファンを公開するまでにあれこれした、あれをあれした日記である。(アラフォーの記憶の限界)

これを執筆しているのが11月23日、明日はクラウドファンディング・ラクガキアートブック「Pimazen」の公開日である。

表の日記には満を辞してと書いたが、本当は「悲願の」と形容した方が正しい。
わたしはそこにいなかったが、ピマズンのミーティングログを遡っていくと、前田さんが「めっちゃかっこいいアートブックを前田デザイン室で作りたい!」っていう動画が残っている。
だもんで、本当の本当の原点というか、アートブック制作の本当の源流はそこだと思っている。

ここだけ聞くと、アートブックの前田デザイン室が作るラクガキ生まれのアートブックで美術嫌いを無くしたい!っていう見出しに矛盾が生じるじゃん?って思うかもしれない。

でも、そうじゃない。まずそこが源流だとしても、「アートブックを作りたい!」という尋常じゃない熱量と、「落書きは楽描きだ」っていう、前田さんの美術やラクガキに対するほんとーーーーに色々な思いを掛け合わせた「ラクガキをアートにデザインする」っていうコンテンツに惹かれて、ラクガキアートブックプロジェクトは始まった。
油絵×デザインでもなく、抽象画×デザインでもなく、多分このラクガキ×デザインの魅力がなかったら、ここまで推進力を持たなかったと思う。

「ほんとにクラファンやるんだなあ」

今回は各所からこんな声が上がっている。
これは、やりたくないの声じゃない。
実は2023年5月(4月?)、一度アートブックプロジェクトのクラウドファンディングは延期になっていたのである。
初めの方から関わっていたメンバーにとっては感嘆というか、しみじみといった、なんとも言えない強い思い入れの末の感想である。

前のズンドコピマズンでも記載したが、わたしは2023年5月に前田デザイン室に入会した。入会直前にクラウドファンディングが直前で延期になっていたので、気がついたら「色々あって延期になりました」という話からスタートした。

※ここから先はわたしが見聞きした内容と推測が入っているが、前提として、延期になるまでの準備がされていなかったら今回のスタートを切ることもありませんでした。
最初の活動があってこその今回のクラウドファンディングです。
ありがとうございました。(敬意の敬語)


延期になった理由はほんとにいろいろあった

まずリーダーやサブリーダー含むメンバーが多忙であったり、制作の準備がギリギリまで終わっていなかったことなどもある。

だが、終わっていなかった内容にも色々あって、審査などはさておき、クラウドファンディングのページはひとまず作ってあったのである。

一番の理由はやっぱり「アートブックの値段」

今回のタイトルである。
表の日記に書いてあるような「大人が金銭的報酬を受けず、自分が思う一番いいプロダクトのアウトプット」が目的に動いている。
そのため、妥協しない。
妥協しないからいいものが生まれる。

でも、妥協しないから色々な案があり、本当にワクワクしながら作っていたのが伝わってくる。いろいろなアートブックを参考にしながら、

・美術館のキャンパスみたいなページがあってそこにラクガキできる
・写真×トレーシングペーパーで透ける落書き
・壁や建物の写真に思う存分落書きできるページ
・前田さんに高い真っ白いスーツを着てもらい、みんなですてきに仕上げてあげたい
・ブラックライトを照らしたらイラストがでてくる謎の秘密のページ

アイデアが全て取り入れられたわけではないが、その他箔押し・エンボス・ジャンプくらいの厚さ、角丸、こうしたい、ああしたい、こんなものを作ってみたい、前田さんの意見も取り入れながら最終的に一冊8,000円になってしまった。
みんなの夢を詰め込んだアートブックはお値段も夢のような価格になってしまった。
印刷数が少ないのと紙の超高騰もあって、もちろん儲けはほぼなく、印刷できるギリギリの価格である。

8,000円……。人にとってはどんな価値だろうか。
ユニクロなら3着は買えるし、本なら4-5冊買えるし、スーパー銭湯なら、サッカー観戦なら、旅行なら?

とあるメンバーさんの課題管理のメモ書きにはこう記されている。

アートブックの価格(8,000円)が売れるか。 最終的にストップをかけた原因がこれでした。

Discordより

切実……。
仕事では味わえないクリエイティブを。
ここを楽しんで全力で作ることが、時には逆に壁になるのである。
そんなことってある?
あるんです。そう、前デならね。

初心に戻ってシンプルに

今回のアートブックは初心に戻ることになった。

まず身近でいてほしいので、買いやすいお値段であること。
すべてシンプルにして、まずは手に取ってもらえるように!

そうなるとハードルがぐーーーーんと低くなり、台割(中身のレイアウト)なんかも色々検討できる余地が出てきた。
あとは、前田さんに今回はこういうのでいいかなあー?って聞いて、いいよーとなったのも大きかった。
装丁に力を入れ過ぎてお値段が天元突破したから、その反省点が前田さんとピマズンチームで活かされてたのがよかった。


おわりに

その代わりのお値段以上

値段が1,000円でも10,000円でも、お届けするクリエイティブの水準は変わらない。ただラクガキがカッコよくなるようにデザインして、それをみた人がなんか良い、かっこいい、ラクガキってイイじゃん!となるようなものを目指して作るのみ。

手に取った人のもとで、ちょっと日常がきらりと光るくらいの働きでもいいし、なんなら持ってるだけでちょっとアーティストっぽい、ワクワクするだけのおしゃれなアートブックの位置付けでもいい。

どんなきっかけであれ、ピマズンの活動やアートブックが届いた人のところに、ちょっと人生の解像度が上がるきっかけになってくれたらうれしい。

みんなでけっこうがんばりました


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?