オンラインコミュニティで遊んでたらWeb制作会社に転職できた話
はじめに
こんにちは、どんな手を使ってでも業界にかじりついているド根性クリエイタータカハシです。
Web制作の職業訓練校に通い始めたのは36歳の時でした。勉強開始から2年半、インハウスデザイナーとして働いたりしながら、なんやかんやあってWeb制作会社とご縁があり、2024年7月より入社いたしました。
職種はサブディレクターで、第一希望の制作会社へディレクターを志望した結果入社できたので、デザイナーそこそこ駆け出し&ディレクター未経験&アラフォーの自分にとってはウルトラCの着地となりました。
転職の方法は人によっていろいろですが、今日は私がどのように実績を積んだのか、一例としてご紹介していきます。
オンラインコミュニティ「マエデ」との出会い
インハウスデザイナーとして入社したあと、自分の環境に悩む時期がきました。
伸び悩むデザイン力、将来の設計、転職して制作会社に入りたいものの家庭もあり通勤が遠く、競合の多いデザイナー職に年齢のこと、どんな環境で働きどんなクリエイターになりたいのか定まっていない状態では、転職も難しいであろうということもわかっていました。
悩んでいる途中、一番大きなきっかけとなったのが、オンラインコミュニティ「マエデ」に入会したことです。
このコミュニティで
▼クラウドファンディングを完走
▼本を出版
という実績を作り、その制作過程で自分に向いていることを発見できたことが転職活動の下地になりました。
しかし実際の受注案件や架空制作ではなく、コミュニティでの活動実績を押し出すのは、あまり一般的ではないと思っています。
でも自信を持って「これが実績ダァーーーッッ」と掲げられそれたのは、マエデがちょっと特殊な環境だからです。
まずマエデってなんなんや
マエデは、デザイナーの前田高志が率いるコミュニティです。あと有料です。
数ある他のコミュニティと違う部分は、仕事ではできない色々なモノ・コトをアウトプットするコミュニティであり、「これはおもしろいな」という企画を形にしてどんどん世に出している点です。
金銭的な報酬は発生しませんが、お金では買えない経験ができます。例えば
▼Web制作を仕事にしている人が雑誌制作に携われる
▼ライターを志している人が本職のライターと共創できる
▼駆け出しデザイナーが歴戦〇〇年のベテランデザイナーとものを作る機会がある
▼クラウドファンディングを行ったりSNSで広報活動をすることで、それが経験となって仕事に活かすことができる
▼公開できない実績が多いクリエイターが、公開できる実績がつくれる
などです。
※どんな体験ができるかは、参加するメンバーにもよります
あと前田さんに「なんかちゃうねんなー」と言われながら進行やコンセプトの壁打ちをしてもらうこともあります。
つまり、デザイン会社に入らないと経験できないようなことが、コミュニティに入るだけで経験できるのです。
例に漏れずわたしもマエデのプロジェクトに携わったことで、
①クラウドファンディングの成功や、アートブックという手元に残るわかりやすく大きな実績ができたこと
②プロジェクトに関わったことで、ディレクターとしての適性を客観的に見出してもらえたこと
その2つを大きな武器として転職に臨むことができました。
前田さんがクリエイティブディレクターとしてクオリティを担保することで、コミュニティ内の活動だとしても高い評価を得られるものになっています。
こう聞くとクリエイティブに特化したかっこいい集団っぽいですが、童心を大事にしているので、おならとかうんちとかのワードに喜んで沸き立つ人も多いコミュニティです。
小学生が大人になって本気のクリエイティブを展開してる場所です。
一体どういうことなんでしょうね(褒め言葉)
なぜお金にならないプロジェクトに参加したのか?
1年目のデザイナーなら本来であればお仕事をどんどんこなしてデザインの腕を磨いた方がいいという段階です。
それなのになぜオンラインサロンに入ってまで、お金にならないプロジェクトに参加したのか?その理由は、
①当時(1年前)駆け出しインハウスデザイナーとしての限界を感じていて、デザインってもっと可能性があって自由なのではないか?ということを自分に証明したかったから
②職務経歴書に書ける内容の実績を作りたかったから
なのですが、マエデは「世の中の経済的なニーズより自分たちがイイと思うものを作る」を遵守することが鉄則です。
参加者の多くは仕事でも物作りをしていて、さらにそのフラストレーションをマエデの制作で発散しているので、まあまあクレイジーな人たちが集まっています。
そんなクレイジーな人たちが集まってプロジェクトで組織を作り、ものを作るために一斉に走り出しますので、マエデ歴が浅い人はなかなか入りにくいかもしれません。
実際あいさつはしたものの、入りにくい雰囲気を感じて辞めてしまった方もいると思います。
でも、36歳で勉強を始めた駆け出しデザイナーがこんなステージに立てるチャンスってまずないですし、経験を積む機会と捉えるととても良い機会なので、入会して早々に飛び込むことに決めました。
サブリーダーとして入り最終的な担当領域はプロジェクトリーダーでしたが、「当時デザイナーだったのになぜリーダーになろうとしたのか」という部分については、「なんかできそうだったから」という、実にふわっとした理由でしかありません。
大変に忙しい日々
ここからは、仕事・子育て・フリーランス・マエデのプロジェクトリーダーとして大変忙しい日々が始まりました。
どんなふうにプロジェクトを〜みたいなヒストリーは置いておいて、とにかくアートブックを世に出そう、と活動していきました。
賃金の発生しない労働で、いかに理解を得るか
次第に真夜中まで作業をすることで生活が圧迫されはじめました。
お金にならない作業をしていることで、出来上がるものがどんなに良いものでも「お金を払ってコミュニティに所属しているうえ、なにやら忙しそうだが仕事をしないで遊んでいる」と、そう見えてしまうのもわかりました。
幸いわたしの周りにはそう言ってくる人はいませんでしたが、今思えばこれは自分のことを自分で責めていたのかもしれません。
焦りがそうさせたのだと思います。
このあたりは、スクールに通いながら将来に迷う駆け出しデザイナーの悩みにも似ているかもしれません。
わたしは稀代の負けず嫌いなので、この稼働量で何もないのは割に合わないと、このプロジェクトを以って転職活動を行うことを決めました。
家族にも「これを実績にして転職するからちょっと待っててくれ」と言い残し、作業に没頭しました。
さらにはマエデの制度はなんでも使うことを決意し、
▼クラウドファンディングを成功させる
▼前田高志認定プロライセンスの取得
▼プロ認定を掲げて転職活動を成功させる
▼マエデでキャリアアップのモデルケース
になる
という、小学生もびっくりのサクセスストーリーを描き、実行に移すことに決めました。
(プロ認定ライセンスとは、ざっくりいうと前田さんのお墨付きです。わたしは前田さんの推薦状って呼んでる)
プロジェクトが成功したので
クラウドファンディングが成功し、メンバーが皆優秀だったおかげで、とても良いアートブックができました。
そこで、最終的に自分は
「チームの中でものづくりをしていたいこと」
「ユニークなものを作って発信していきたいこと」
この2つが方向として変わらない部分であることがわかり、
「ディレクターやリーダーの適正がある」
という客観的な評価を得ました。
そしてものづくりに関われる次のステージとして、チームで働くならここがいい!と思っていたWeb制作会社へエントリーしました。(ちなみに以前書類選考で落ちたことあるので再エントリーです)
すごく真面目な制作会社に提出するポートフォリオには、こう書いてエントリーしました。今思えば、よく通してくれたなと思います。感謝感謝。
そしてなんと面接に面接を経て、そのまま内定しました。
マエデでの活動を評価してくださる内容と、noteの内容を絡めていただいた内定連絡の言葉は今でもメールボックスの中でピカピカ輝いています。
誰でもマエデに入ればキャリアアップできるのか?
このnoteを読んでいる方のほとんどはわたしのことを知っている方だと思います。
そして例外として、同じような境遇でキャリアに悩む方もいらっしゃるのかなと思います。
最初に書いたように転職活動やキャリアアップは人それぞれなので、マエデに入れば転職できるという約束ではありません。
自分にあったフィールドを見つけて、やれることは率先してなんでもやり、体が資本なので健康に気をつける、ということを実行しただけなので、マエデじゃなくてもできることですね。
広げていくのではなく深掘りしていくというのがミソです。そう、当たり前のことを一生懸命やっただけです!
就職のためのTipsなんて何もない。
できたのは、自分を客観的に洞察して現在位置を正確に把握し、驕らず悪口を言わず、周りに感謝してただ当たり前のことを人と比べず継続して頑張ることだけでした。(ジタバタはした)
でもやっぱり駆け出しさんにおすすめしたい「マエデ」
仕事では味わえない楽しいものづくりをして、胸を張れる実績を作って、視野を広げられるって夢が拡がりませんか。
デザインだけじゃない経験があって、そこに自分の適正が埋もれている可能性があり、ちょっとしたきっかけでそれが自分の武器になった人が沢山いるので、なんだかんだマエデで人生が変わったよ、というお話でした。
おしまい。