137 平和を築く目的で話す

 離間語と言われても意味不明でしょうが、これは「噂話」という意味です。たかが噂話くらいのことを悪行為、非道徳だと認めたくないかもしれません。雑誌など、有名人の噂を流すことで金儲けをしていることも世の中に多々あります。しかし、品格のある人間は、ゴシップを娯楽の一つとして認めないのです。ゴシップには中毒性があります。ゴシップに依存すると事実を無視することになります。他人のことをありのままに知ったほうが、正しい人間関係を築けるのです。

 離間語は嘘とは限りません。たとえ事実を言っていたとしても、離間語を使うならば真理を語る立派な人間ではありません。その人は、人間同士の調和を壊したいのです。平和を壊して、仲違いさせたいのです。それで本人が刺激を受けて喜ぶのです。

 言葉を使うときは、人間同士の平和を築く目的で、仲違いしている人であっても仲直りさせる目的で、社会の調和を保つ目的で、しゃべらなくてはいけません。子供をしつけるときも、互いに対して思いやりがある言葉を語れるように教えてあげなくてはいけないのです。子供が他人の悪口を言ったら、親は賛成するのではなく、相手を許す気持ちになるように導かなくてはいけません。調和を保つ言葉を使えるようにと、教えてあげなくてはいけないのです。結果として、子供は立派な人格者に変わっていくのです。そのようなしつけこそ、我が子に対して親ができる最高の贈り物ではないでしょうか。
『一瞬で心を磨くブッダの教え』第3章 社会で成功するために《コミュニケーション》アルボムッレ・スマナサーラ サンガ出版【ブッダの智慧に学んで子育てのプロになる親は子を育て、子は親を育てる」(2017年) p36】

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?