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300 自我がわかるとありがたみがわかる

 自我のしくみを理解すると、ものの見方が変わってくるはずです。誰もがみんなわがままであるのは当たり前のことだとわかります。

 そして不満に思っていた周囲に対しても「みんなわがままなはずなのに、いろいろと私に協力してくれるものだなあ」と思えるはずです。つまり、自我が錯覚だと、頭の中でだけでも理解しておけば、人間は怒る必要も威張る必要もないのだと理解できるようになると思います。

 たとえば奥さんにだって、自我はあります。本当はわがままで料理をつくりたくなくても、旦那さんに合わせたくなくても、いろいろやってくれているはずです。

 それがわかれば「感 謝」が出てきます。旦那さんは休みの日に朝寝坊するのに、奥さんは前の晩が遅くてもちゃんと早起きしてご飯をつくったりしてくれるのであれば、感謝すべきです。自我を抑えて、家庭を守るために対応してくれているのですから。感謝を態度に表わすか、言葉に表わすかすべきです。

『一分で読むブッダの教え』第5章 仏教が教える「生きること」の本質《自我》アルボムッレ・スマナサーラ サンガ出版
【怒らないこと2  役立つ初期仏教法話11 (サンガ新書043,2010年) p185】

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