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130 リーダーの条件

 日本人が世界のリーダーになってくれたらありがたいのです。日本人には、その資格があるのです。本当はアジアの国々が、中国さえもそう期待していたのです。日本人は最低でも、アジアのリーダーシップをとってくれるだろう、と。それを裏切ったのです。それで今、その結果を受けているのです。リーダーシップを日本人がとるならば、問題はないというのに。

 リーダーシップとは自我を張らないことです。人の心配をするのです。人の幸福を願うのです。「きみ、元気ですか?」「しっかりがんばっていますか?」「何か助けられることはありますか?」「しっかりしなさいよ!」「けんかするなよ!」、それがリーダーです。

 この「リーダー」とは、仏教の視点、ブッダの理想からしゃべっている意味の「リーダー」ですよ。

 私の国でリーダーシップをとっているのは、汚い連中で話になりません。日本の政界も、仏教が言う「リーダー」からはほど遠いですね。

 稲は豊作になると、曲がって曲がって地面のほうに垂れてきます。カラの稲はまっすぐ伸びています。稲穂がしっかり成長していっぱい中身が入っている稲は、美しく曲がって地面を見ます。下を見るのです。人間も同じです。

 人格がそなわって中身があると威張りません。威張るということは、中身がないということです。私から見ると、日本人はあまり威張っていません。ということは、リーダーシップをとる資格があるのです。お金ではないのです。たとえば、外国で大きな災害が起こった場合、いろいろな国々からボランティアが行きますが、日本から行く場合、個人で援助に行っても、政府関係で自衛隊などのグループで行っても、がっちりと握手されて大歓迎されます。

『一瞬で心を磨くブッダの教え』第3章 社会で成功するために《仕事》アルボムッレ・スマナサーラ サンガ出版【日本の未来 アイデアがあればグローバル化だって怖くない! (サンガ 新書 2014年) p131】

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