39 与えることで幸福になる
お釈迦様は、因果法則を知って、「じゃあ、取ることではなく、与えることをやってみたらどうですか」と説かれたのです。
こちらが「取る」だど相手も「取る」になります。こちらが「与える」だと、向こうは逆のことを感じます。なんとなく「申し訳ない」という気分になります。
われわれは、動物と仲良くしたいとき、いつでも「与える」ということをやっているでしょう。言葉の通じない動物たちにも、こちらの「与える」というエネルギーに負けます。負けて、こちらのいうことをやってくれます。
ですから、われわれは「取る」という欲ではなくて「与える」というエネルギーを心に作ってしまえばいいのです。そうすると、いきなり恵まれた環境が生まれます。いつも周りから恵みをもらえる状態になるのです。「与える」ことは、恵まれるポテンシャルとなって、恵みが寄ってくるのです。
「取る」ことはその反対で、罪になります。「与える」を繰り返していくと、何もせずとも、何の罪も犯さないで、ものすごく豊かになります。幸福になります。
『一瞬で心を磨くブッダの教え』第1章 私たちの悩みを解決する《欲》アルボムッレ・スマナサーラ サンガ出版【欲ばらないこと 役立つ初期仏教法話13 (サンガ新書018,2011年) p198】