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296 自我を捨てれば問題はなくなる

 心というのは、わがままな大バカ者、手に負えない曲者(くせもの)です。エゴを守るためにあの手この手の言い訳を繰り出します。

 では、どうすればいいかというと、答えは「自我を捨てること」です。自我からすべての問題が生まれるのですから、それがなくなれば問題も消えます。自我を捨てるということは、「自分の心は、弱くて脆(もろ)くて大したことないものだ。どうでもよくてくだらない心だから、誰のものでも別に同じだ」という事実を認識することです。自分という自我を完全に横に置いておければ、自分が何者でもないことを心から理解できます。

 すると、失敗しても成功しても、平然としていられるのです。たとえ失敗しても、「自分は大したことない人間なんだから、まあ仕方ない」と思うだけで、怒りや落ち込みなどはありません。逆に成功しても「我ながらよくやるじゃないか。でもまあ、たまたまうまくいっただけだ」と思うだけで、偉そうな気分にはけっしてなりません。ぜんぶ大したことではなくなります。いつもそういう気持ちで生きていられれば、絶対に病気にはなりません。

『一分で読むブッダの教え』第5章 仏教が教える「生きること」の本質《自我》アルボムッレ・スマナサーラ サンガ出版
【心は病気 役立つ初期仏教法話2 (サンガ新書2006年) p】

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