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319 感情で行動した結果は人類のためにならない

 仏教から見ると、感情で行動している限り、社会が発展しているように見えても、それは表面的なものです。その本質はかなり危ないものなのです。

 アメリカも自分の国を大国だと思っているようですが、経済的に強いかというとそうでもありません。豊かな人は少ないし、企業倒産もたくさんあるし、やっと生きている人のほうが多いのです。しっかりした発展があるかどうかは問題なのです。

 ですから、我々が欲で、怒りで、憎しみで、「あいつに負けてたまるか」という感じで頑張ると、表面的な見かけだけをつくりだし、本当の発展がなくなります。

 それに対して、「生命を助けよう」という気持ちのある活動は、良い結果を出します。私たちが科学のおかげで助かっている面といえば、科学者がお金を儲ける気もなく、ただ研究して頑張った結果できたものでしょう?

 「人類のために」「生命のために」という気持ちになると、見事に成果が出ます。確実に社会は発展していきます。

『一分で読むブッダの教え』第5章 仏教が教える「生きること」の本質《自我》アルボムッレ・スマナサーラ サンガ出版
【苦しみをなくすこと 役立つ初期仏教法話3 (サンガ新書010,2007年) p19】

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