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pasteltime
115 目を閉じてでもできることが天職
もし私が子供たちに「私はどんな学問を選べばいいか困っています」と相談されれば、「あなたが目を閉じていてもできることは何ですか? 最も単純で面白くない学問は?」と聞きます。子供が「これです」と答えれば、「では、それをやりなさい。それがあなたに向いています」と言います。
しかし、子供自身は、それを選ぶのは嫌で、「私は別のあの学問をなんとかやりたい」と言うのです。私は「あれってあなたにとっては難しいですよ。やれば格好いいと思っているかもしれませんけど、能力はありませんよ」と教えます。
人間は、能力がないものに未練を感じるのです。能力があるものは、目を閉じていてもできます。だから、あまり大胆な道とは感じないのです。でも残念ながら、それが自分の道なのです。ですから、仕事を選ぶときでも、「目を閉じていてもできることを選んでください」と私は言います。
本人はそれを単純な仕事だと思うかもしれませんが、そうではないのです。自我による勘違いなのです。
目を閉じてでも失敗なくできることであれば、ストレスがかかりません。それを仕事にすれば、簡単にできてストレスもかかりません。失敗もしません。雇った人から見れば、見事な仕事ぶりです。給料もあげたくなります。双方が楽しいでしょ。
『一瞬で心を磨くブッダの教え』第3章 社会で成功するために《仕事》アルボムッレ・スマナサーラ サンガ出版【仏教と科学が発見した 「幸せの法則」 - 「心」と「私」のメカニズムを解き明かす p139】