031 仕事はバリバリ、完璧に
仕事はバリバリやりますが、「この会社がだめでも次があるさ」、そんな感じでその会社に執着はしないで、頼まれた仕事は誰にも文句を言われないようにしっかりとやります。自分の仕事は、たとえば、「あなた、これをやってくれませんか」と頼まれたら、完璧を期してやります。頼んだ人がお金を払うかどうか、払わないで騙されてしまうかもしれない、などというようなことは気にしません。気にするのは「私がやる仕事だから完璧にやる」ということだけです。ふつうの人は、仕事自体より、収入のことを気にします。仏教では、このような思考はしません。仏教徒なら、自分のプライドを大事にします。頼まれた仕事を、文句のつけようがないほど手抜きをしないでこなします。頼んだ人が喜んでお金を払いたくなるように、仕事をするのです。そのように仕事をするなら、雇う側も雇われる側も、幸福を感じます。仏教の人というのは、「やることはとにかく徹底的に、しっかりやってやろう」と挑戦する人です。「あなた、そんなにいつも一生懸命で、生きることに執着しているのですか」と聞かれたら、「いえ、とんでもない。生きることはどうってことない。しかし、失敗せずに一生懸命やるべきことをやるのは楽しいですよ」と答えるのです。仏教の人とはそういう人で、仏教とはそういう道です。『一分で読むブッダの教え』第1章 あなたの毎日を、喜びと幸せで満たす 《よく生きるためのコツ》アルボムッレ・スマナサーラ サンガ出版【あべこべ感覚 役立つ初期仏教法話7」(サンガ新 022, 2008年) p141】