019 生命とのふれあいは喜び
人間は、いろいろな生命とふれあうと、限りない幸福を感じられます。昆虫たちを見て、蝶々たちを見て、「ああ、みんな幸せに生きてるなあ!」などと、大きな喜びを感じるのです。私は、自然豊かなところに行ったときには、流れている水の中を必ず見ます。魚とかザリガニなどがいますからね。なぜ見たいかというと、「水がきれいで、えさがあってよかったなあ!」と、私が喜びを感じるからです。この喜びを得るためにお金はかかりません。お釈迦様は、そういうふうに幸せに生きる方法を教えたのです。「神を拝みなさい」とか、「祈りなさい」とか、そういう話は一度たりともおっしゃっていません。我々が何をやっているかといえば、心の汚れを落とすための修行だけ。いわゆる宗教ではないのです。我々人間には怒り、嫉妬、憎しみ、欲があって、それが現実です。自我があるし、傲慢になってしまうし、それが現実です。それをなくして、穏やかな心で、空気と同じく一切の生命と融けていたいのです。その究極のやすらぎを経験したいのです。だからいろいろな実践はします。お釈迦様の教えは、そういうものです。それは宗教ではありません。精密な科学です。『一分で読むブッダの教え』第1章 あなたの毎日を、喜びと幸せで満たす 《喜びを感じて生きる》アルボムッレ・スマナサーラ サンガ出版【日本の未来アイデアがあればグローバル化だって怖くない! (サンガ 新書 2014年) p120】