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4 不満は放っておく

 私たちは常に、今の瞬間に不満です。

 すべての現象は不完全なので、今の瞬間が不満であることは当然です。しかし執着があると、何でもうまくいって満足に達したいという欲望が現れます。それは叶わない希望です。不満を感じることが苦しいのです。

 満足に達したくなります。しかし、それは不可能です。

 自分に対して不満を感じる。他人のことに不満を感じる。世間の物事に不満を感じる。すべての現象は不満の対象になります。

 満足はあり得ないので、不満を放っておくことにしましょう。気にして悩まないことにしましょう。不安は現象の自然な姿であると理解しましょう。

 放っておくとは、何事にも無関心で生きることではありません。不安を感じても悩まない、苦しまない生き方を選ぶことです。放っておく能力を育てましょう。放っておくとは智慧の働きです。一切の現象に対して放っておく能力が現れたら、それは仏教用語で「解脱」といいます。

『一瞬で心を磨くブッダの教え』第1章 私たちの悩みを解決する《怒り》アルボムッレ・スマナサーラ サンガ出版

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