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114 わがままな心でする行動は信頼できない

 人間は結局、死ぬまでずっと「あれが好き」「あれが欲しい」、それだけです。その希望を叶えることだけ考えて、ほかのことには見向きもしません。理屈も合理性もぜんぶ捨てて、目的だけをめがけて走っていきます。それを得たらどうなるのか、選んだ道が正しいかどうかは、まったく考えません。代わりにすぐ考えるのが、「一番近い道はどれか」ということです。だから、「一番近い道は一番危ない」のです。たとえば、お金がたくさん欲しいと思ったとき、一番近い道は強盗ですね。人生経験がある人なら「それはさすがにヤバイから、商売でもしよう」というくらいは考えますが、それでもその商売が正しいかどうかは、やっぱり考えません。結局、「自分の行動は、まったく信頼できない」のです。わがままで智慧のない心の命令に逆らえない以上、私という人間がいつ何をしても不思議はありません。このことを、しっ かり肝に銘じておいてください。それだけでも、物事は確実に良いほうに向かいます。
『一分で読むブッダの教え』第2章 心の正体を知れば、人は成長することができる 《心を育てる》アルボムッレ・スマナサーラ サンガ出版【心は病気 役立つ初期仏教法話2 (サンガ新書2006年) p30】

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