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『刑事マードックの捜査ファイル シーズン5#7 秘めたる心(前編) Stroll on the Wild Side(Part1)』 (1612文字)

 カナダの大ヒットミステリドラマ『刑事マードックの捜査ファイル』のシーズン5第7話「秘めたる心(前編) Stroll on the Wild Side(Part1)」の感想を書きます。

 今回は前後編のうちの前編についての感想ですので、話は途中で終わります。また、私はまだ後編を観ていないので私の中でも中途半端な感じです。なので、おかしな妄想が含まれているかも知れません。
 こういったことを前提にこの投稿を読んで下さい。

 今回の題名は、原題及び邦題ともに二重の意味を含んでいると思われます。
 一つは被害者(若い女性)のことで、 彼女は人に見せている姿と、それとは異なる姿を持つという二重の姿をしています。恐らく(前編を観た限りでは)、内気と大胆といったことだと思います。
 もう一つは、ジュリア・オグデン医師(元検視官)のことです。
 オグデン医師は、女性を集めて避妊の方法を教えているという行為が法律違反だということで逮捕されてしまいます。
 当時のカナダでは避妊を教えることって違法だったんですね。
 これは、キリスト教的に「罪」ということとは別に、世俗の法(人が決めた法)により違法となっているので、なんか意外という気がします。
 ところでオグデン医師は、既に結婚しており夫も同じ医師です。
 そしてオグデン医師は、自分の活動が夫の出世の障害になることを回避すべく、女性たちに避妊を教える活動を休止します。
 しかし、オグデン医師(前検視官)の後任であるグレース検視官は女性の権利を獲得する活動家で、オグデン医師を広告塔にして女性の避妊の権利獲得運動を広げようとします。ところがオグデン医師が活動(この活動はオグデン医師が一人で行っていたとを指し、グレース検視官の活動とは違います。)を休止したため、両者は軽い対立関係になります。

 このように、被害者とオグデン医師には、「本来やりたいことをやらずに押さえる。」という共通点があります。
 また、「Stroll on the Wild Side」は、直訳すると「未開な側の上をぶらつく(散策する)」となります。
 しかし、「wild side」には「リスクを承知で自分の信じる道を歩け」という意味もあるそうです。そうなると、「信念の上でぶらつく(時間つぶしをする)」というような意訳も可能だと思います。

 やはり、被害者とオグデン医師には共通したところがあり、それが原題及び邦題に反映されています。物語の内容を社会的な面からみると、原題が適当だと思いますし、被害者とオグデン医師の内面の葛藤(「かっとう」 心の中に、それぞれ違った方向あるいは相反する方向の欲求や考えがあって、その選択に迷う状態。)を考えると邦題が適当だと思います。

 なお、今回第4分署と第5分署との野球の試合も絡むので、これがどう事件解決に影響するのか楽しみです(まったく影響しないということも考えられます。)。今回、偶然クラブツリー巡査が投手をつとめることになります。彼は速球を投げることができるのですが、コントロールについては未知数です。試合が楽しみです。

 そうそう、今回めずらしくマードック刑事にちょっとしたロマンスが発生します。
 相手は、以前扱った殺人事件(シーズン4の第9話「迫り来る魔の手 The Black Hand」)の被害者の妻です。
 彼女は、ギャング組織の黒手組(江戸川乱歩の短編にも黒手組という名称が使われたような記憶があります。)から狙われていて、現代アメリカの証人保護プログラムのような扱いで身辺保護が図られましたが、半年前からトロントに戻って来ていました。恐れを知らない女性です。もっとも、身の危険を恐れないという性格は、オグデン医師もそうですね。

 で、この女性に身に拳銃が向けられたところで、「TO BE CONTINUED… (次回へ続く…)」となります。

 次回が楽しみです。

#黒手組 #避妊

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