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『鉄人28号』 そのリモコンの謎 (796文字)

 子供のころ故横山光輝さん原作のアニメ『鉄人28号』に夢中でした。
 だから、鉄人が洋風の家の中に入ってきても、パトカーを持って空を飛んでも、正太郎君達を手の平の上に乗せても、「縮尺がおかしい。」とは全く思いませんでした。
 また、正太郎君が半ズボンなのに自動車を運転したり、民間人なのに拳銃を所持していても、「法律違反だ。」とも全く思いませんでした。

 ただ、鉄人の背中に付いているロケット装置の燃料が無尽蔵であることには多少違和感を抱きました。
 また、鉄人を操縦するリモコンから出る電波がジグザグであることは「なんとなくおかしい。」とは思いました。でも、子供だったので電波がどのように伝わるのかなんて全然思い至りませんでした。当時
 さらには、リモコンのスティック二本を交互に往復させるだけで、鉄人に複雑な動きをさせるという設定には、「それは違う。」と思いました。
 しかし、それはそれこれはこれ、やはり『鉄人28号』は面白いアニメであり、グリコのおまけで鉄人の人形が出てくると大喜びしました。鉄人以外は眼中にありませんでした。、

 そういえば、ずっと鉄人は敷島博士が作ったものと思っていましたし、鉄人には最初から背中のロケット装置が付いていたと思っていましたが、単行本を読んでみるとそうではありませんでした。
 せっかくの鉄人物語のネタバレは興を削ぐのでここでは書きませんが、鉄人にはなかなか複雑な過去があります。

 鉄人のモデルは、日本を占領したアメリカ軍の兵隊らしいです。
 鉄人の高い鼻も、カールした頭髪も(モヒカンに見えますが)、そのアメリカ人のイメージなんだそうです。
 そういえば、漫画の鉄人28号は、怪獣さながらに日本で日本人相手に暴れます。
 それは、当時の日本人が見た米兵の姿だったのかも知れませんね。

 今、鉄人がいたら、三峡ダムが崩壊してもなんとかしてくれそうな気がします。

#鉄人28号

 

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