映画『勇気ある追跡』 本当の根性って (1286文字)
『勇気ある追跡』はジョン・ウェイン主演の1969年のアメリカ映画です。
内容は、父を殺された少女マティが、連邦保安官のルースターを雇って仇討ちに行く物語です。
マティは、ルースターに仇討ちを依頼し一緒に行くことにしていました。そのため前金を支払っていたのですが、そこにテキサスレンジャーのラ・ボーフが現れルースターにお尋ね者を捕らえに行く計画を持ち掛けます。
破格の賞金に二つ返事で承諾したルースターですが、マティからの前金を使ってしまっているので、仇討ちを断ることができず、結局三名で仇討ちとお尋ね者逮捕に向かいます。幸い、マティの仇とお尋ね者一味は一緒に行動しているようなので、ルースターにすれば一石二鳥ということになります。
マティの「父の敵討ち(かたきうち)」は、この場合公権力(警察力)に頼らず正義を行う方法ですが、危険と困難の多いやり方です。
ルースターは、映画後半で1対多数という状況で馬上での撃ち合いをしますが、撃たれた馬の下敷きになり動けないところを、テキサス・レンジャーのラ・ポーフに助けられます。
その後、テキサス・レンジャーのラ・ボーフは、頭部に重傷を負いながら、ガラガラヘビのいる穴に落ちたマティとルースターを助けます。ラ・ボーフは二人を助けた後、亡くなってしまいます。
一方、ルースターはガラガラヘビに噛まれたマティを連れて馬乗り潰すまで走らせ、医者の元に運びます。
映画の最後で、マティは父親の墓地にルースターを連れていき、墓地の埋葬予定を話し「自分が埋葬される場所があるのは安心よ。」と言います。
そして、自分の墓の横にはルースターを埋葬すると本人に伝えます。
ルースターは、マティの気持ちに感謝しながらも、まだ墓には入らないと言い、馬で柵を飛び越しマティに元気な姿を見せて走り去っていきます。
この映画の原題は"True Grit"で、「本当の根性(ガッツ)」と言います。
三人とも根性を見せました。
私はこちらの方が題名としてしっくりきます。
この映画のルースターをちょっと真面目にしたら、映画『リオ・ブラボー』の保安官チャンスのキャラクターになります。
私なりにこの映画の面白さを考えてみました。
① この映画を牽引しているのはマティですが、彼女が行動する動機が「父の仇討ち」であること。
② 連邦保安官ルースターもテキサス・レンジャーのラ・ボーフもマティの期待を裏切らないようにしようとしていること。
③ ルースターは周りの者から扱いづらいと思われていますが、実はそうでもなくてマティを大事に扱おうとしていること。
④ マティは、15歳なのに大人との金銭交渉に長けており、抜け目のない性格をしています。
でも、ルースターを自分の家族の墓地に埋葬する計画を立てるなど、ルースターの今後のことを心配しています。
映画の最後で、自分を心配しているマティに元気なところをみせるルースターの「まだ年取ってないぜ。」といいたげな姿を見て、「こういうジョン・ウェイン」って好きだなと思いました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?