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『刑事マードックの捜査ファイル シーズン1#6 愛と憎しみ Let Looses the Dogs』 (1442文字)
カナダの大ヒットミステリ『刑事マードックの捜査ファイル』シーズン1の第6話です。
原題の「Let Looses the Dogus」は「犬を放す」という意味です。
犬がネズミを狩る博打が事件の背景に出てくるので、その犬のことだと思います。
さて、今回は、マードック刑事の実父のハリー・マードックが登場します。
マードック刑事とその実父のハリーのことに詳しく触れると、ドラマの内容に触れることになるのであまり触れないようにします。
このハリー・マードックは、殺害現場近くに酔い潰れて寝ているところを発見されました。その手は腫れており、何かを殴ったことを推測させます。
当然、ハリー・マードックは警察で取り調べを受けますが、酔っていて何も覚えていないと言うので、しばらく警察に勾留(「こうりゅう」逮捕された被疑者や被告人の身柄を、逃亡や証拠隠滅などの可能性がある場合に、裁判の時まで一定の場所に留めておくことです。 拘留「こうりゅう」は、読み方は同じですが、有罪判決の際に言い渡される刑罰の一種で、刑務施設に収監されることです。 勾留と拘留は同じ読みですが、意味が違うのでミステリでは罪注意が必要です。)
マードック刑事は、その実父が殺人犯人かもしれないということで精神的に追い込まれます。
ブラッケンリード警部やクラブツリー巡査それにジュリア・オグデン検視官は、しきりにマードック刑事を元気づけます。
でも、マードック刑事は実父のハリーに別の件の疑いも持っていたので、誰の言葉も役に立ちません。
それどころか、マードック刑事の心の中に入ってこようとするオグデン検視官には冷たく対応してしまいます。
今回、知的障害のある青年が登場します。でも、彼は数字に強く、懐中時計を見ながら、多くの人の行動の開始時刻と終了時刻を覚えます。この能力から思うに、彼はサヴァン症候群(「サヴァンしょうこうぐん」 [savant syndrome] は、知的障害や自閉症などの発達障害等のある人が、その障害とは対照的に優れた能力・偉才を示すこと。また、ある特定の分野の記憶量、芸術、計算などに、高い能力を有する人を示します。)のような気がします。あくまで私の感じですが。
なんやかんやでマードック刑事は犯人を逮捕します。
事件が解決した後、ハリー・マードックは釈放されます。そのとき、マードック刑事はハリーから「別の件」についての説明を聞きます。
真相を聞かされて、少し心が晴れるマードック刑事。
でも、マードック刑事には、実父に聞かされた真相による混乱と、オグデン検視官への申し訳なさで頭が一杯になります。
そこに偶然オグデン検視官がやってきます。
そしてオグデン検視官は、ゆっくり考えたいというマードック刑事に「私は考え事をする時トロント島へ行く。水辺を歩くと落ち着くの。」と言います。
マードック刑事は、「一緒に行ってくれる?」とオグデン検視官を誘います。
あっさり承諾するオグデン検視官。
二人は腕を組んで歩いていきます。
マードック刑事は、オグデン検視官に謝罪し、そして実父ハリーのことを考えるのでしょう。
このことでマードック刑事とオグデン検視官との間は一層近づいたようです。
なお、トロント島は、カナダオンタリオ州トロント本土の南にある一群の島を言うようです。だからトロント諸島というのが正しいかと思います。
まぁ、ここでこういうことを書くのは無粋というものですが。