トランプ大統領とガザ地区の平和 (1429文字)
「アメリカのトランプ大統領が、イスラエルのネタニヤフ首相との会談後に記者会見でアメリカがガザ地区を長期的に所有して再建するなどと主張したことに対し、パレスチナ(後述)やアラブ諸国(後述)からは強い反発が起きている。」というネットニュースを見ました。
パレスチナは、東をヨルダンに接する「ヨルダン川西岸地区」と、西を地中海、南をエジプトに接する「ガザ地区」に分かれています。 ヨルダン川西岸とガザは1994年以来「パレスチナ自治区」とされ、「パレスチナ自治政府」が存在していますが、 独立国家ではありません(国連のオブザーバー資格を持っています。)。
アラビア語を母国語とするアラブ人が 多く暮らす国々をアラブ諸国と呼びます。 イラク、クウェート、カタール、アラブ首長国連邦、バーレーン、サウジアラビア、オマーン、イエメン、ヨルダン、 パレスチナ、レバノン、シリア、エジプト、スーダン、リビア、チュニジア、アルジェリア、モロッコ、モーリタニア等のほか、独立国家ではありませんがパレスチナもアラビア語を話します。
トランプ大統領がいう「アメリカがガザ地区を長期的に所有して再建する」という意味が「①単にアメリカがガザ地区を自国領土に編入し、アメリカの国土面積を広くする。②ガザ地区からハマス等のテロ組織の勢力を追い出し、現在の混乱をなくし、パレスチナ人及び他の人々の入植を促して平和な生活ができる土地にする(瓦礫の撤去等も含む。)。そのためにはイスラエルの軍隊や他のテロ組織による紛争が再発しないようにアメリカが軍事力をもって管理する。」のどちらの意味なのか、それ以外の意味なのか、分かりませんが、私は②であることを望みます。
また、②のためにトランプ大統領がその実行に着手した段階で、トランプ大統領にはノーベル平和賞を授与される資格が発生するのではないかと思います。
現在のパレスチナの混乱は、旧約聖書の時代に端を発しているという人がいますが、英国の三枚舌外交(「さんまいじたがいこう」。イギリスの第一次世界大戦における中東問題をめぐる外交政策のこと。 )のせいだという人もいます。
アメリカは、イギリスからの移民が開拓した植民地であり、またキリスト教国であることもあって、イスラム圏の人たちからはどちらかといえば好かれていないといっていいと思います。
しかし、今回のトランプ大統領の発言は、「真剣に考えてみてもいいい」内容を含んでいるように思われます。
トランプ大統領は、過去(2017年12月6日。第1次政権のとき。)に、エルサレムをイスラエルの首都として正式に認めると発表したことがありました。このとき、トランプ大統領は対外的に中東問題に手を突っ込みました。だから、今回もそれなりの見識を持っての発言なのだと思います。
私は、イスラム経のことについてまったく浅学なのですが、イスラム商人が過去にユーラシア大陸で大活躍したり、海路東南アジアにも進出したということは世界史の知識で知っています。
かれらは商売上手ですし、商売を馬鹿にするということがないと思うので、トランプ大統領との取引には、条件次第で乗って来るのではないかと思います(トランプ大統領は、いい意味で商売人と言われています。)。
パレスチナというかガザ地区の平和のためにも、トランプ大統領の目論見が成功することを望みます。