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草野球の思い出 (1428文字)
かつて異動した職場では、野球部(軟式です。)に入るのが職員に義務づけられていました(昭和の時代のことです。)。
私はキャッチボールくらいしかやったことがなく、ルールもアニメ『巨人の星』で覚えたことくらしか知見がありませんでした。
それでも、「やれ」といわれたらやらなくてはならず、スパイクと子供用の野球教本を買って勉強しました。その教本は、守備編と打撃編の二冊に別れていて、各々の表紙は江川卓投手と原辰徳三塁手の写真でした。
私はバレーボールをやっていましたが、野球は捻る動作が多くてしかも走るのでなかなか慣れませんでした。それに、打撃のときに「腰を回せ」と指導されましたが、腰を回す意味が分からなくて困りました。バレーボールではそんな動きをしませんから。
それでも、毎日ランニングして体の動きをよくすると、だんだんとバットにボールが当たるようになりました。
私は、守備はセカンドで、打順は8番でした。
当時は左打者が少なくて(今なら右利きの選手も打撃のときは左で打つという人が結構いますね。)セカンドにはあまり打球が飛ばないのと、エラーしても外野がカバーしてくれるから失点も少なくなるはずということでした。
軟式野球は7回まで試合をします(硬球なら9回までですね。)が、対外のチームの先発投手は完投するつもりですから、相手チームの打者全員に全力投球するということをしたくないのか、私のような下位打順の打者には比較的緩いボールを投げてきます。8番の打順ですから、まぁ打てないと思いますよね。
でも、私は直球なら多少急速があっても打ち返す確率は3割くらいありました。しかしその後野手に補給されることが多いので、打率はだいたい1割ちょっとでした。
そんな状態の2年目のこと、市内の商店街の野球大会に出場したところ(参加したのは4チームでした。)、一勝したので決勝戦に進みました。
試合は市営球場を借りることができ、フェンスのある綺麗な球場で早朝に試合することになりました。
私は、二打席二安打、それに守備のときにランナー一塁の状態で相手チームの三塁ゴロを処理し一塁送球しましたが、一塁手がこれをエラー。二塁手である私は一塁のカバーに入っていたのでそのエラーボールを追うと、フェンスに当たって運よく私の方に返ってきました。そのボールを掴んで振り返るとバッターランナーは一塁を回っていましたがまだ二塁まで距離があります。
二塁上にはショートを守っていた上司が手を広げて送球するよう求めています。
私はただ腕の力だけで二塁に送球しました。ボールが指を離れるとき、心なしか「シュッ」という音がしたような気がしました。
結果、バッターランナーはセカンドでアウト。
結局試合には負けましたが準優勝(4チームしか出場していないんですが。)でした。
で、私は二安打していたのと、エラーをカバーしたプレーがあったので、優秀選手賞をいただきました。
あんなに苦手な野球だったのに。
でも、だからといって野球が好きになったかというと、そんなことはなく。今でもやるのは嫌いです。
ただ、子供用の教則本のあといろいろ野球関係の本を読んだので、プロ野球の歴史や往年の名選手に詳しくなりました。
でも、プロ野球中継もまず観ません。試合時間が長いのと、いつ終わるのか分からないので予定が立てられないので、「だったら観なくてもいいや。」という気持ちになっています。
#草野球 #優秀選手賞