『ボーン・スプレマシー』
映画『ボーン・スプレマシー』が好きです。
マシンのようにミッションを遂行する風な主人公の行動の機敏さを観ると、「自分もマシンのように仕事を仕上げなきゃ。」と思います。
この映画のアクションシーンとボーンを引っ張り出す謀略の周到さに目を奪われ見失いがちですが、ボーンの行動目的をどう理解すればいいのでしょうか。
最初は、マリーが殺害されたことに関する復讐なんだと思っていましたが、なぜインドのゴアからナポリに移動したのか分かりません。
ボーンが、ナポリからミュンヘンに向かったのだって、ナポリでCIA職員から盗んだクルマの中で、ランディからの電話内容を盗聴したことがきっかけです。ボーンは、とりあえずクルマを盗み逃走していて、その道中でミュンヘンに行く理由を得たということです。だからゴアから脱出するのが主目的で、ナポリへはたまたま行っただけということになります。
しかし、ボーンはそこでボーン名義のパスポートを使用してCIAに存在をしられます。これは、ボーンのウッカリミスではなく意図的にCIAを呼び出したと見るべきでしょう。
で、その後ミュンヘンでCIA要員を一名殺害し、ベルリンに向かいます。
ボーンがベルリンに向かうのは、上記のランディからの電話で自分がベルリンでのミッションに関係しているという内容を盗聴したからです。
ここから、ボーンは見事な調査方法でランディの居場所を見つけ、ランディを狙撃しようとしますが、ランディの基地(というか司令部)にニッキーを見つけ、ダンディ狙撃よりニッキーから情報を得ることが上策だと考えを変えます。
この後ボーンは、モスクワに向かいますが、それは筋が通っています。また、内容に無理がありません。ボーンが過去のミッションの清算をするために危険を犯すことは納得できます。
ただ、ボーンは、「マリーが望まない。」という理由でできるだけ殺人を回避してきたのに、ミュンヘンでは一人は絞殺、あと数人はガスで爆死(多分)させています。
この回で最後のアクションシーンだったキリル(マリーを狙撃した者)とのカーチェイスでも、ボーンはキリルにとどめを刺さなかったのに。
まあ、プロの暗殺者は手加減できませんし、キリルは自動車事故で半死半生の状態でしたから放っておいても「多分死ぬ。」と判断したのかも知れません。
この『ボーン・スプレマシー』は、ボーンシリーズの中では最も好きな作品です。主人公は目的達成に迷いがありません。上記の文章中で言及したように、ゴアからナポリに向かった目的がはっきりしないのと、ナポリからミュンヘンに向かったのは情報の偶発的入手が原因です。
でも、上記の点を補ってあまりあるボーンの行動性と合目的性がこの映画の魅力だと思っています。