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やっと分かった『アストリッドとラファエル 文書係の事件録』シーズン1の#9 の内容 (2284文字)

 毎週土日の午前中にBS11で放送中の『アストリッドとラファエル 文書係の事件録』を楽しく観ています。
 このドラマの設定は「シャーロック・ホームズ」の設定と似ています。
 変わり者扱いされる主人公アストリッドと日常生活の面で主人公を補助し主人公の才能を存分に発揮させる相棒ラファエル。ラファエルは警視でありアストリッドと同居しているわけではありませんから(ワトソンも結婚してからはホームズとの同居関係を解消していますが。)、ホームズとワトソンの関係とは若干異なる要素がありますが、ほぼ同じ設定といっていいでしょう。

 ところで、私は楽しく見ているはずのこのドラマでシーズン1の#9の物語の全体の筋がよく分かりませんでした。
 この回は、死体の消滅という怪奇的な語り口から入り、事件解決までは何となくお化けもの的な演出があるのと、被害者や容疑者が多数でてきて区別が難しく、事件内容を整理することができませんでした。
 最終的には犯人は逮捕されるのですが、この犯人が誰だったのか、どうして警察が犯人にたどり着いたのかも分からず、犯人逮捕は偶然だったような印象でいました。
 分からないものを分からないまま放置することはできないので、メモを取りながら#9を見返したので、その範囲内で理解できたことをここに書こうと思います。
 なお、この#9にはアストリッドの母親のことや、アストリッドがラファエルから貰った「友情」(何回か前のドラマ回で)という本について触れられていますが、事件に直接関係ないのでそれらのことには触れません。
 以下、物語のネタを完全に書きますので、この回を未見の方はここで読むのを中断することをお勧めします。


『アストリッドとラファエル 文書係事件録』シーズン1 #9

【主要な登場人物と物語における役割】
 アストリッド・ニールセン・・・主人公 パリ犯罪資料局の文書係。自閉スペクトラム症。犯罪捜査に関する知識が豊富で鋭い洞察力を持っているが、実生活においては応用が効かない一面がある。
 ラファエル・コスト・・・パリ警察警視。離婚歴あり。2年とび級した小学生くらいの息子がいる。
 ウィリアム・トマ・・・自閉スペクトラム症。コンピュータと鉄道に深い関心を持っている。「社会力向上クラブ」を主催して、自閉スペクトラム症の人や、自閉スペクトラム症の人を家族に持つ人のミーティングする場を設けている。コンピュータ通信の技術については、かなり優秀である。
 ポール・トマ・・・医師で研究者。食品漂白添加物E4171の危険性を訴えていたが、医学会議の昼食中に倒れ、虚脱による心停止により死亡した診断された。その後、葬儀場の遺体処理担当者ラヴァルダンによる防腐処理で偶然にも蘇生する。蘇生した姿を見て、死体が歩いていると思ったラヴァルダンは失神した。ポール・トマはその後自宅アパートに行くが、そこでは後述のドクール博士が刺されて虫の息だった。そのため、ネクタイで止血し人工呼吸したがドクール博士は助からなかった。ポール・トマはその後弟のウィリアム・トマの元に助けを求めて現れる。
 ラヴァルダン・・・葬儀場の遺体処理担当者。酒好き。独自にブレンドした防腐剤(自ら「カクテル」と呼んでいる。)で遺体処理をする。ラヴァルダンが、死体として安置されていたポール・トマに「カクテル」を注入したところ、「カクテル」内のストリキネーネが、フグ毒であるテトロドトキシンの解毒剤であるアトロピンと同じ成分だったことから、ポール・トマの体内のテトロドトキシンが解毒されポール・トマは蘇生した。
 ドクール教授・・・食品漂白添加物E4171の開発者。E4171の有毒性を主張するポール・トマと対立していたらしいが、ポール・トマのアパートで殺害されているところを警察に発見される。死亡推定時刻は、ポール・トマが死亡したとされる時より後とされるが、遺体には死体とされていたポールが首に巻いていたネクタイが残されていた。常識的に考えるとポールが第1容疑者となるべきだが、前述のようにドクール博士の死亡推定時刻はポールの死亡したとされる時刻よりも後であるため、「殺人被害者(ポール)が殺人加害者(ポール)となる」矛盾が生じてしまい、捜査はいち時混乱する。後に、ポール・トマに「C8 A45 316」と謎の記号と数字を言い残したことがポール・トマの口から語られる。ポール・トマは、「ドクール博士はE4171の有毒性を認めた。」と語っていたことから、ドクール博士はポール・トマの死を知ったことから、E4171の危険性を公表するため資料を探しにポーツ・トマのアパートに行き、先に来ていたオーギュスト・ルガニュールに殺されたものと思われる。オーギュスト・ルガニュールは、E4171の危険性を隠蔽するため、ポーツ・トマの資料を廃棄すべく資料を
探していたものと思われる。
 オーギュスト・ルガニュール・・・ドクール博士と同じATF研究所で研究する生物学者。オーギュスト・ルガニュールは、医学会議の昼食に出た寿司にフグ毒であるテトロドトキシンを混入しポール・トマを殺害(後刻蘇生した。)した。目的は、食品漂白添加物E4171の危険性を隠蔽するため。AFT社からの回し者かと思われたが、警察では「AFT社ならカネで解決するだろう。」という見解だったので、恐らくAFT社とは無関係に行った犯行と思われる。
ベレジン28・・・女性。ウィリアム・トマの婚約者。ハッカー。ただし、二人はまだ会ったことも口頭で会話したこともない。ベレジン28は、入院中のところをダークル博士の「E4171の危険性」という論文を発見したオーギュスト・ルガニュールにより殺害されそうになるが、警察により救助される。警察と行動を共にしていたウィリアム・トマは「ベレジン28とは直接会わない」という約束があったが、ベレジン28の生命の危険が迫っていたためその約束を破ったが、ベレジン28はウィリアム・トマを笑顔で迎えた。
 ATF社・・・添加物を扱う大手企業。
「C8 A45 316」・・・ドクール博士がポール・トマに言い残した記号番号。ダークネット(裏ネットとでも訳すべきでしょうか。)のサイトの接続識別子。このダークネットにはウィリアム・トマが警察の捜査官とともに、警視長が不在の間に警視長のパソコンを使ってログインした。そのサイトのパスワードは、ドクール博士の姉の名前の「クロンガル(QUERENGAL)」だった。

 結局、犯人はオーギュスト・ルガニュールでしたが、私にはよく似た人物が葬儀場に登場していたので、この物語全体の理解がなかなか進みませんでした。

 なお、『アストリッドとラファエル 文書係の事件録』の最も手に汗握る回は#10だと思います。
 ここでは、アストリッドがピンチになりますが、警察が到着するまで時間稼ぎをする話題の展開の仕方で、アストリッドが知能に優れていることが示されました。
 でも、それはまた別の話。

#アストリッドとラファエル部署係の事件録シーズン1

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