ウルトラマンとウルトラセブン
子供のころ『ウルトラマン』が大好きでした。
でも、思いのほか短い時間で終わってしまい、次の『キャプテン・ウルトラ』を挟んで『ウルトラセブン』が放送されました。
子供の感覚としてですが、ほぼ無敵なウルトラセブンはウルトラマンより完成されたヒーローとして好きでしたが、なにか違和感がありウルトラマンほど好きにはなれませんでした。
かなり後年、「ウルトラセブンは、ウルトラマンより動きが早過ぎる。」ということに気づきました。
ウルトラマンもウルトラセブンも身長40メートルということですから、人間が肉眼でみるなら手足の動きはかなりゆっくりに見えるはずです。『ウルトラマン』のときはウルトラマンも怪獣・宇宙人(巨大化しているとき)も動きは少しゆっくりでした。つまり、カメラは早回ししていたのですね。
それが『ウルトラセブン』のときは、ウルトラセブンも怪獣・宇宙人(巨大化しているとき)・ロボットも動く速度はゆっくりではなく、人間同士が戦っているのをリングサイドから見ているような臨場感でした。
そういう違和感があり、どうもウルトラセブンに馴染めませんでした。
もう一ついうと、やはりウルトラセブンには弱点がなくて、いまひとつ感情移入できなかったかなと思います。
ウルトラマンは、地球での活動時間に3分間という制限があります。
また、マッハ3で飛行するとありますが、おおまかに言ってマッハ1は秒速340mくらいですから、
340m×3×60秒×3分=183600m=183.6Km
つまり、地球上での活動時間である3分間を全部使って全速で空を直線的に飛んだとしても、183.6Kmしか移動できません。
映画『シン・ウルトラマン』の中の台詞のように「なぜか怪獣は日本にしか出現しない。」としても、ハヤタ(ウルトラマンの仮の姿)が東京にいるときに、沖縄に怪獣が出現した場合、ビートルで現地まで移動しないと怪獣退治ができません。ウルトラマンは科学特捜隊の装備の支援なしには怪獣のもとへ移動すること自体一苦労なのです。
子供だった私は、マッハ3では地球の引力圏を離脱することができないということも知りませんでしたから、ウルトラマンの弱点は「わずか3分間の活動時間」だけだと思っていました。
あらためて考えてみると、科学特捜隊って、ウルトラマンの戦いに随分役に立っていたんですね。
現場への移動手段の提供だけでなく、怪獣出現情報の、怪獣そのものの情報、怪獣の弱点情報など、ウルトラマンがハヤタとして科学特捜隊内部にいるからこそ取得できたわけです。
この『ウルトラマン』の設定を考えた人って、凄いな。と思います。