YOUTUBE動画『平成日本のよふけ/廣岡達朗』 ーイメージと違うその半生ー
『平成日本のよふけ/廣岡達朗』はYOUTUBE動画です。
元ジャイアンツ選手・元西部ライオンズ監督の廣岡達朗(ひろおかたつろう)さんがゲストで、自らの半生とプロ野球選手の育成について語っておられます。観覧者がいるスタジオ撮影でタレントお二人とお話されていたのが斬新でした。
廣岡さんのお話の前半はジャイアンツ時代からはじまる川上哲治さんとの確執ですが、後半はサンスポで記事執筆を鍛えられ広島カープでのコーチ経験、ヤクルトスワローズでのコーチ・監督経験、そして西部ライオンズでの日本一の話になっていきます。
私としては後半が興味の中心で、後輩の育成方法の参考意見を聞きたくて集中して待っていました。
まず、サンスポでの文章修業のときの経験を後の選手指導に応用できたということに動揺しました。「それは私も知っていた。」ということなんですが、それを応用するという考えがまったくありませんでした。
そして、25分間経過あたりからの広島カープ時代の話、31分間経過あたりからのヤクルトスワローズ時代の話には心が揺れました。
廣岡さんは、このような番組でないと、スポーツ記者を含め野球の素人にはちゃんと持論を述べない人ではないかと思います。
故川上哲治さんのご子息が書かれた『父の背番号は16だった』にも、川上さんと廣岡さんは、お互い憎み合っていたけど、それは同族憎悪みたいなもので似ているから嫌いなんじゃないか、ただ野球のことになると憎しみを忘れたようによく喋り合うと書かれていました。仲が悪くても、野球について造詣が深い人ならば持論を話すけれど、スポーツ記者などの素人には肝心なことは話さない。だから、廣岡さんはメディアで悪く言われることが多い。と感じました。
それにしてもコーチから「あいつ上手くならない。」とダメ出しをされた選手が努力と練習で上手くなり、監督である廣岡さんから「名手」と呼ばれるようになった話にはホロっと来ました。
一生懸命やっている選手を見放さないという廣岡さんの姿勢は、「管理野球で選手の自主性を奪っている。」とか「スポーツ選手に、肉は体に悪いから野菜を食べろとは何事か。」などとメディアの作り上げた廣岡さんの独善的なイメージとはかなり違います。
番組のスタジオ観覧には若い女性も多かったようです。
心に残るものを持ち帰ってほしいなと思いました。
以上