
『刑事マードックの捜査ファイル シーズン5 第11話(#63) 悪意の人形 Murdoc in Toyland』 (1146文字)
『刑事マードックの捜査ファイル』シーズン5第11話(#63)「悪意の人形 Mardock in Toyland」の感想を書きます。
今回は、事件は単純なもので、犯人も事件の前半で分かります。犯人は、このドラマシリーズをずっと観ている人ならピンとくると思います。
そうなると、物語の中心は犯人の犯行目的なのですが、それも分かります。ただ、ドラマ終盤の10分間はハラハラドキドキです。
これ以上書くと、ミステリドラマの内容に立ち入ることになるので、ここでやめることにします。
邦題の「悪意の人形」の、「悪意」は犯人のマードック刑事に対する執拗な悪意を指していて、「人形」は犯人が手がかりとして要所要所で使う録音機内蔵の玩具の人形を指しています。
これは原題の「Murdock in Toyland」に繋がります。
今回は、邦題「悪意の人形」の方がドラマの内容にしっくりくるように思います。
今回は、過去に登場した人物が3名登場します。
前々回(シーズン5第9話「精巧な発明」)登場して「2週間ほどトロントにいる。」と語っていたアレクサンダー・グラハム・ベルは、マードック刑事の捜査に協力して録音から特定の周波数の音を取り除く手伝いをします。
この手伝いの内容は、有限会社日本音響研究所の捜査協力と似ています。
有限会社日本音響研究所は、グリコ森永事件やオウム真理教事件等の有名事件で音声解析を行い捜査協力しています。
ミステリドラマは長く続くと、主人公やその近しい人たちが犯罪に巻き込まれたり、主人公によって逮捕された犯人が報復したりすることが多くなって来ます。
ネタが切れて来たのかとも思いますが、その分レギュラー登場人物が深く描かれるので、物語世界により浸れるとも言え、どちらかというと私は好きです。
また、シャーロック・ホームズに対するモリアティ教授のようなライバルの存在は、シリーズ全体の柱になり得るので物語全体に矛盾が生じない限り好ましいと思います。
モリアティ教授がホームズのライバルとして表面化した期間は短いですが、明智小五郎に対する怪人二十面相などは、二十面相に独自の人気が出はじめるなどスピンオフ(主に小説・マンガ・映画・テレビ番組などにおいて「メイン作品の設定や世界観を引き継ぎいでいるが直接的な続編ではない外伝や番外編などの派生作品」を意味する語です。 要するに派生作品・副産物のことです。)作品が作られたりして、物語世界が拡張します。
それにしても、グラハム・ベルとかニコラ・テスラとか、エジソンと競争関係にあった発明家は、随分マードック刑事に協力しますね。
逆に、カナダではエジソンの評判がよろしくないのでしょうか。