「書きき」と「書きけり」、古文文法に挑む (1479文字)
以前、古文の授業について投稿したこともあり、古文文法についてほんのすこしだけ書きます。
例文は、1.「書きき」と2.「書きけり」のふたつで、これらの文法的解釈を試みた後に現代訳をしようと思います。間違っていたらすみません。
1.「書きき」について
これは、何となく「書き」と「き」に分解して理解する方がいいように感じます。それは、「書き」が動詞でなにがしかの活用をしているからだと思うからです。そして「き」ですがこれは動詞についているので恐らく助動詞でしょう。
で、「書き」ですが、これを未然形、連用形、終止形、連体形、已然形、命令形に活用させてみます。
私はこのとき「ズ、タリ、〇、トキ、ドモ、〇」を語尾につけてどう活用するのかやってみます(終止形と命令形には付けるものがありません。)。未然形の活用を調べるときは語尾に「ズ」を付け、連用形の活用を調べるときは語尾に「タリ」を付けるといった要領です。
で、「書き」を活用してみると、「書かズ、書きタリ、書く、書くトキ、書けドモ、書け」となります。ここで、「書き」となるのは「書きタリ」のときですから「書き」の活用は連用形になります。なお、活用の種類は四段活用になります。
次に助動詞「き」ですが、「書きき」で文が終わっているので、この「き」は終止形だと考えます。私は、助詞の活用をまだ暗記していないので参考書の「助詞の活用表」で探してみます。すると連用形に接続する助動詞として「き」がありました。これは基本形として表示されているので終止形の欄を見ます。すると終止形は「き」とありました。ここまでは私の推理どおりです。なんか怖い気がします。
さらに「助動詞の活用表」の「き」の欄を見ていくと、活用の種類が特殊型で、おもな意味は「直接経験の過去」とあります。古文の参考書には、直接経験の過去とは体験過去とあり、訳は「〜た」と書かれています。
つまり、現代訳すると「書いた」となるわけです。
次に、2.「書きけり」ですが、「書き」は1.で書きました。「けり」は、やはり動詞「書き」に付いているので助動詞のはずです。
そして、この文も「書きけり」で終わっていますから、「けり」は終止形になるはずです。「書き」は1.のとおり連用形です。
1.の「き」と同様に参考書の「助動詞の活用表」で「けり」を探してみると、連用形に接続する助動詞の「けり」があり、その終止形は「けり」です。また、活用の種類はラ変型でおもな意味には間接経験の過去・詠嘆とあります。
参考書を見ると、「けり」は、(1)間接経験の過去(伝聞過去)、(2)詠嘆とあります。(1)の現代語訳は「〜た・〜たそうだ」で、(2)の現代語訳は「〜dなぁ・〜ことだ」とあります。
ここで「けり」が詠嘆になるのは、①和歌中、②会話文中、③「なりけり」の「けり」と参考書にあるので、この中を検討すると、どれも「書きけり」に該当しないと思われるので、現代語訳は(1)になると断定して良さそうです。
さて、ここで直接過去と間接過去について簡単に説明します。
直接過去とは自分がやったことで、間接過去とは人から聞いたことです。
回答としては、
「書きき」は、「書いた」
「書きけり」は、「書いたそうだ」
となります。
古文の文法も、暗記中心で対応すべきと思いますので、グラマー(grammar 英文法) のマスターの仕方と似ています。
私が思うに、古文文法は一に暗記二に暗記です。
私もこれから助動詞の活用表を暗記しないと。